■サラリーマンの不満
サラリーマンの不満のひとつが「上司からの評価」というものです。
処遇であったり、年度ごとの評価ランクであったり。
「こんなに頑張っているのに、どうして係長にしてくれないんだ?」
「今年は、目標達成率が120%なのになんで B 評価なんだ?」
もちろん、面接などで上司から、その理由を聞かされることは聞かされるのですが、ひどいのは「他の人とのバランだから…」「オレはいいと思うんだけど、社長が〜」とか。
「じゃぁ、やってもやらなくても同じじゃん!」
って言いたいのをこらえて面接を終わると、不満だけが残る、と。
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人事評価に関する意見で「上司によって評価が違って不公平」というものがよく挙がります。
でも上司によって評価結果は価遅ってあたりまえです。
誰がやっても同じ結果になるなら、コンピュータにだってできますので、上司の人事評価なんて不要となります。しかし、コンピュータがやった方が公平でしょうか?
業績評価(仕事の結果について評価する)なら、その業績という結果だけを使って、式を使って計算するしかありません。そうなると「結果だけ出ればOK 」となり、チームワークという仕事の大事な要素が欠けて、皆が自分の成績ばかり追いかけてしまいます。
能力評価(その人の持っている能カを評価する)ならペーパーテストでもするしかありません。
でもペーパーテストで本当に仕事の能力を測れるでしょうか?
多くの企業が出した結論は「上司が部下を人事評価する」という仕組みです。
これには反論できないと思います。上司という人間が、頭を使って考えて部下を評価するのですから、上司によって結果は違います。
人事評価のオペレーションという仕事は「上司の意見」なのです。
意見だから人によって異なるのは当然です。
もちろんあなたの意見(自己評価)とは違うでしょう。そして残念ながら組織では、あなたの意見より上司の意見が優先されます。
だからその意見を受け入れるしかありません。いやなら会社を辞めるしかありません。
では黙って上司の評価を受け入れるしかないのでしょうか?
もちろん上司と話し合うことができます。話し合うのは PDCA の Action です。
昨日の結果は意見の優先度で決めても「明日の予測」(目標)は上司と合意です。
昨日の人事評価は終わってしまったことなので、それを変えることはできません。でも明日の人事評価は、まだそのオペレーションをやっていないので変えることができます。
だから「どうすれば明日の人事評価が昨日より上がるか」を上司に聞き、そのための具体策を 2 人で練りましょう。これが多くの会社で取り入れている目標管理という仕組みの原点です。
部下が上司と共同で自らの目標を設定し、これを自分で管理していくものです。
フェアに評価されている人事評価の意見としてよく挙がるものに
「上司は人を見て評価している。好き嫌いで決める。フェアじゃない。評価能力がない」
というものがあります。しかし冷静に考えてみるとその意見には根拠がありません。
人事評価がフェアかどうかなんて神様にしかわかりません。だったら自分は上司からフェアに評価されていると思いましょう。
自分の上司がアンフェアだと思っても何の幸せもありません。「好き嫌いで評価している」というのは当たっているかもしれません。
上司だって人間だから好き嫌いはあると思います。でもこう考えましょう。
「好きな人の人事評価を高くする」のではなく、
「人事評価の高い人(仕事のできる人、能力の高い人)が好き」
ということです。だから上司に好かれるようにゴマスリしても意味がなく、先ほど述べたように「どうすれば人事評価が高まるか」を上司に聞きましょう。
「上司の評価能力がない」なんて思わず、上司は能力が高いから上司になったと思い、尊敬しましょう。好きになるのは難しいかもしれませんが、上司の長所を見つけてそこを尊敬しましょう。短所を見つけて批判してもあなたに幸せはありません。
内山力 著 『理数系の「対人関係」テクニック (B&Tブックス)』
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ちょっと引用が長くなってしまいましたが、本記事でちょくちょく触れるテーマである
どうやったら、あなたの評価が上がるか
について著者の内山力氏の所見は、おそらく人事評価のシステムを作る人からしたら真っ当に思えるものではないかと。
つまり、どんなに不公平だと思える仕組みであっても、現時点それを超える仕組みが存在しない以上、それに従うしかない。従う以上、それにうまく合わせた方がいいということを、正当っぽく言おうとすれば、だいたいはこんな言い方になりそうですね。
だからと言って、自分が不公平に扱われていると思っている人が納得するかどうかは別物ですが。
■上司のものさしに合わせなさい
上司の評価に対して、
不公平だ
不当だ
といっても結果は変わりませんし、それが採用されることもありません。
逆に、「決まったことに文句をいうやつ」というレッテルを貼られて、ますます評価が下がるだけです。
「上司の評価が正しくない」といっても、「じゃぁ、正しい評価とは何か?」というものが出来上がっていないので、誰もただしようがない。
だから、本書にあるように、上司が何を持って評価しているかによって、その何をを自分で伸ばしていくようにするしかないわけです。
個人個人がいろいろなことに挑戦して能力を伸ばしていくのは自由ですが、能力を評価してもらいたければ、評価される能力を評価される方向に伸ばしていかないと評価はされないという至極単純な結論です。
たとえ、100メートルを9秒で走れたとしても、営業職の人なら説得力のある提案資料が作れなければ、仕事においては無能者っていうことですね。それを評価してもらいたければ陸上競技者になるしかないわけですね。
具体的にどうすればいいのかというと
人事制度を調べる
評価されるポイント
昇進は性格で決まる
部門目標と個人目標
成果を出しているのに上司に嫌われている
会社の評価
会社員は何をもって「優秀」というのか
7つの仕事力
昇進したい?
結果が全てじゃぁない
目標面接
などいろいろなコツを過去に書いてますので、ご参考にどうぞ。
■参考図書 理数系の「対人関係」テクニック (B&Tブックス)
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書名 :理数系の「対人関係」テクニック (B&Tブックス)
著者 :内山力
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