選択肢を多くしておく








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ある会社で執行役員をつとめている人だった。

会社は資金不足に陥り、資金調達プロジェクトをまかされる。
5人の部下を率いて、資金調達計画を練ることになった。

彼は、ある事業部門を売却して、資金を得ることを計画する。
その事業部門に興味を持ちそうな会社数社にあたりをつけ、交渉をはじめた。

部下たちは、その事業部門が最近業績を落としていたため売却できない可能性が高いので、別の資金調達計画も組んでおく必要があると進言した。

しかし、彼は大変な自信家だったから、候補の数社と売却交渉にのぞんでは、ほぼ一方的にしやべり続ける。相手の反応を見るよりも、説き伏せることにすべてをかけている感じだった。

彼は、自分が相手を説き伏せることに成功したと思っていた。

ところが、最終的に人札してきた会社はなかった。

彼は、最後に方針変更を余儀なくされ、銀行からの資金調達に方列を変更する。部下にも命じて、取引銀行数行を回るが、反応は冷たい。それでもなんとか資金を引き出すことには成功した。

ただ時間がなかったことから、落ち着いて交渉することができず、非常に不利な条件での借り人れを余儀なくされた。

彼は、部下たちの反発を買っただけでなく、会社にも高い調達コストを支払わせるという損害を与えてしまった。

部下たちの進言を聞き、もう少し早い時点で銀行との交渉をはじめておくべきだったのである。

あまりに簡単に意見を変えると、自分に自信がないと思われる。なかなか意見を変えないと、意固地だと思われてしまう。このバランスを取ることが大切なのだ。

植田統 著   『45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本
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著者の言うとおり、部下たちの意見を聞くことは重要なポイントだと思いますが、私としては、この執行役員は「意見を変えなかった」ことが問題ではなく、リスクを考慮しなかったことが問題なのではないかと感じます。

自分の決定を貫くのはリーダーにとって必要なことです。
しかし、それがどれほど自信があることであろうと、未来のことに 100% 、つまり、「絶対できる」ということはありません。どこでどう足を救われるかはわからないんです。

時々使うワンピースネタですが、アラバスタ編に搭乗した悪役の一人クロコダイルが、ビビたちの様々な対策にもかかわらず、それを上回る準備をしていたことに対して、

 「周到だと、せめてそう言ってほしいもんだな」

と言いましたが、「やっぱりリーダーはこうでなくちゃ」と感じいった次第。

リーダーとしては、あらゆる可能性を考慮して、様々な選択肢を用意しておくのが、結果的に無駄な部分はできる可能性があるにしろ、確実に結果を出すための必要なムダです。

さらにプロジェクトが進むごとに、それを冷静に評価できる目が必要ですね。
いつまでも、もはや選択し得ないような選択肢や、起こりえなくなったリスクに対応準備しておくのはそれこそムダですので。









■参考図書 『45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本





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45歳はキャリアのターニング・ポイントだ。45歳になると、それまでの20数年におよぶキャリアの答えが出てくる。

よくがんばり結果を出してきた人、部下の使い方がうまい人、人望のある人には、取締役や執行役員になり、腕をふるうチャンスが訪れる。

そうでなかった人はポストを外され、転身を迫られる。
 
あなたの45歳からのキャリアは、それまでにあなたがどういう準備をし、どのような経験をし、どういう人脈を作り、どういうスキルを身につけてきたかで変わる。

だから、45歳までに周到な準備が必要になる。

本書は、45歳になって途方に暮れないために、今のうちに読者の皆様が心がけておくべきこと、取り組んでおくべきことを、30のポイントに分けて解説する。





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 45歳からの会社人生に不安を感じたら読む本
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 選択肢を多くしておく
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