■異業種交流会に意義はあるか?
「勉強会や交流会でほんとうの人脈なんてできない」
結構多くのビジネス書に書いてあります。
ある一面、そのとおりだと思います。
ただし、ある一面だけ。
こういった発言の発信者は、たいてい会社社長であったり、本を何冊も出版しているコンサルタントであったり、早い話が、実力もあれば地位もあるエリートなのです。
凡人のサラリーマンにとってはどうでしょうか?
私の会社は従業員だけで世界中に数万人います。ですので、部門間交流であったり、グループ会社交流であったり、いろいろな交流イベントを設けています。
そこで知り合った人と雑談や仕事の悩み相談などから、さまざまなヒントを貰って、成果に結びついたことも一度や二度ではありません。一緒にプロジェクトを立ち上げたこともしばしば。
なにしろ、ただのサラリーマンなので、社長やコンサルタントのように広い人脈や交流を持っているわけではないんです。
そういう人達から見れば、勉強会や交流会なんて、結果に結びつく確率はやたら低いし、ましてや「名刺を配っているだけ」と揶揄する程度の内容であれば、塵芥(ちりあくた)を見る如くでしょう。
勉強会や交流会で出会う人というのは、仕事が重なっているわけではありませんので、直接的に仕事に答えやヒントをくれるわけではありません。しかし、その人の何気ない一言が問題をふっ飛ばして成果に結びつけるインパクトを持つことも少なくないんです。
■不明確な目標を継続できる力
他の記事でも時々書いてますが、サラリーマンの仕事力は
・自分の専門を持っていること
・自分の専門外のことを専門にしている人とつながりがあること
・仕事のハブになれること
が最も重要。
それに比べれば、仕事を効率的にこなすことなど、それこそ塵芥。
そのためには、自分が主催者になって勉強会や交流会を実施することがもっとも勉強になります。
そして、主催者になると、参加者とのつながりはもっとも強力になります。
これを利用しない手はない。
ところが管理職になっても、「主催者」というのがデキない人がおおいんですね。
それは、参加者として参加した経験がないから、主催者が何をすればいいのかわからないんです。
ましてや、勉強会だとか交流会などという、成果や日程がはっきりしていないものを継続することができないんです。
いろいろなビジネス書を読みあさりましたが、こういうことのノウハウが書いた本というのも少ないですね。
たぶん、文章にできないスキルなんですよ。
私の事例ですが、「別の部門とのお互いの仕事に関して理解を深めよう」という活動をある管理職にやらせたのですが、3回ほどやってギブアップしてきました。
もちろん、その部門の部門長と私で今の組織上の課題として挙げた問題点を解決するための方法のひとつだったのですが、ものの見事に…。
こういう、不明瞭な目的に対して、それを具体化し、両方の部門に関わるテーマを考えだして、みんなで討議させるというスキルは、本当は管理職として是非身につけてほしいスキルではあるのですがね…。
こういうことを、他の人がやっている勉強会や交流会で勉強してほしい、と切に願ったりします。
■交流会は主催者になる
どうやったら勉強できるかというと、勉強会や交流会などの主催者グループに入ることです。
いきなり出来るようにはなりません。
他の人がどうやってやっているかを、まずは参加者として学び、それから主催者グループに入って、どういう経過でこういうことを決めていくのかを勉強して、やがて本当にそれを主催できるようになるんですね。
あなたがもし、勉強会や交流会に参加していないのなら、是非参加してみてください。
ただし、単に参加者として名刺を集めるのではなく、「自分が主催できるようになりたい」という目的を持って参加してください。
あなたのすごいコアコンピタンスになりますよ。できない人が多いんですから。