シナリオ第一、パソコン第二




プレゼン資料、技術レポートなどのドキュメントを作るときに、いきなりPCに打ち込み始めたりしてませんか?

 あまり得策ではありません

他の人と差を付けたいなら、まずはノートをひらくべきです。

私は、このやり方を「シナリオ第一、パソコン第二」と標語にしてます。

■シナリオ第一

最初にやるべきは、

 どの様な流れで書くのかを決める

ことです。

また、いつものように Wikipedia から

★――――――――――――――――――――――――――
●脚本/シナリオ
脚本(きゃくほん)とは、「何時。何処で。誰が」の天地人を示す柱書き、台詞、ト書きだけで構成された設計図的役割を担うテキスト。小説とは形式が異なる。
映画・テレビドラマ・ラジオドラマ・アニメでは台本、シナリオといわれる。「シナリオ」という言葉は、1920年に松竹が映画事業に乗り出すため、アメリカから招聘したヘンリー・小谷が使った片仮名のおびただしい映画用語の一つで、それまでは「台本」という言い方をしていたという。
「シナリオ」という言葉は、もともとは即興劇用のおおまかな筋を書いたものを意味していたし、今日ではコンピュータゲームの原案などにも使われる言葉だが、辞書に載るような一般的な意味としては、映像劇の脚本を舞台のそれから区別する際に使われる。

脚本/シナリオ-Wikipedia
――――――――――――――――――――――――――★


この「おおまかな流れ」「原案」という言葉がしっくり来ますね。

まず最初にやるべきは、これをノートに図解して、そこに書くべき注釈などを徐々に増やしていき、全体像がノートの1ページに書き込めるまで、実際の完成物には着手しないことです。

たとえば以前の記事

 要約と結論(約起承転結)

のように「約起承転結」の流れにするとか、逆ピラミッドで書くとかの全体の構造をつくり、その構造に、目的とする結論を入れ、結論につながる仮説や事実を入れていくわけですね。

こうして作った資料は、ムダがなくスッキリした構造になります。

■パソコン第二

それぞれのページで書くことが決まったら、ようやくPCに向かって入力を始めることです。そうすると、全体が非常に整った資料が作成できます。

私は(元)プログラマなので、プログラム作成で例えると、最初に仕様書を作り、それに基づいてDFDを作り、さらにフローチャートを書いてからコーディング作業をする人は、バグが少なくて安定したプログラムが作れていました。逆にいきなりコーディングするタイプの人は、プログラムの出来が悪く、いつまでもバグ対応に追われて、ますます複雑怪奇なプログラムを書く人がよくいました。特に、趣味でプログラミングをしてきた人に多かったです。

※こういう人に、「まず仕様書とフローを作れ」と言っても、まずやりません。「この方が早いから」といきなりスパゲッティプログラムの作成にとりかかってしまいます。バグが多いと、修正の仕事が多くなり、新しい仕事をする余裕がなくなります。余裕がなければ仕事の範囲は広がりませんね。
※こういうタイプの人はプログラムを作る基礎能力は高いのですが、基本を疎かにするから上達しない

「コーディング作業」すなわち資料のPCへの打ち込み時に考えていては、良い資料は作れません。

理由は簡単で、人間は「全体」と「部分」を同時に見られないから。

いきなりPCに打ち込もうとしたりしていません?
頭のなかにあるものは、所詮ぼんやりしたイメージにすぎないので、これを明確にした上で作業を始めると成果物の品質が上がりますよ。



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