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人間は道具を使うのが好きだ。だからこそ文明を築くことができた。危険なのは、ツールそのものを解決策と勘ちがいし、ツールさえあれば関係者が連携しなくてもうまくいくと思ってしまうことだ。実際、方法論の多くはそのような考えのもとに発展した。もともとは人間のために開発された方法から、いつのまにか人間的な要素が取り除かれてしまったのである。気がつけば、莫大な量のデー夕や資料を用いる方法論になってしまい、コンサルタントは報告書の作成に際限もなく時間を取られることになった。
カレン・フェラン著 『申し訳ない、御社を潰したのは私です』
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メールやウェブシステム、クラウドなど最近のITの進化はすごいものがありますね。10年前には想像もしなかったようなことがあたり前のようにできています。
私は社内のシステムを構築するのが仕事なので、関係の部門からいろいろなシステムツールの依頼を受けます。
・問題点を共有するシステムを作ってくれ
・進捗管理をするシステムを作ってくれ
・膨大なデータから必要なデータを抽出するシステムを作ってくれ
・データの層別がしたい
・生産ラインの不良検出のための画像処理システムを作りたい
まぁほんとにいろいろありますわ。
過去にも色々作ってきましたが、システムを作っても使われないままのシステムも少なくありません。導入プロジェクトのスタートの時にはあれほど熱がこもっていたのに、2年後に同じ目的のシステムを作ってくれと別の担当者が言ってくる(ひどい時には同じ担当者だったことも)、なんてのはわりあい日常の光景だったりして、「前にこんなの作ったじゃん」というと「え?そうなんですか?」だと…(涙)。
技術報告書にしろ、コンピュータシステムにしろ、それ自体は100%ムダです。
意味があるのは、それを使ってコストダウンしたり、売上を増やしたりすることです。ところが、多くの場合、報告書やシステムを完成するのに労力がいるので、完成したら「やれやれ。やっとできたぞ」と満足しちゃう。
完成したら、そこからがスタートなのに。
■道具を目的にしてはいけない
なぜこんなことになるのか未だにわかりませんが、道具がいつの間にか目的になってしまう時が少なくありません。
これを忘れないためには、目的をいつも確認していることが重要です。
・この道具はどう使ったら目的を達成できるのだろうか?
・この道具で目的を達成するのに十分に働くだろうか?
・結局、目的は何だったのだろうか
これを四六時中考えていましょう。
■道具の使われ方をチェックする仕組みを入れる
道具を作るときには、かならず
その道具が使われる業務プロセスと、
その道具が使われていることを確認する仕組み
をいつも作るようにしてます。
それがない限り道具を作ることをしてはいけません。
いまあなたが作ろうと考えている道具は、これら2つが用意されているでしょうか?
■参考図書 『御社をつぶしたのは私です』
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