管理職の唯一の仕事





日本の場合、管理職層になると、会社の将来的な経営戦略を考えたり、人材育成を考えたりなど、経営者の仕事を補佐するような仕事を任されるようになります。これをマネジメントと言ったりするようですが、これは本来のマネジメントとは違います。

私が考える本来のマネジメントとは、できない部下をできる部下に成長させることです。

  切れるハサミも切れないハサミをも一様に
  必要な場面でれるように使うこと

です。

これは以前サラヒンの記事で、

 カスな部下の使い方

という記事で紹介しましたが、どんなハサミでもうまく使えば切れるんです。
よく言うでしょ

 弘法は筆を選ばず

って。

だからといって弘法が百均の筆で書いていたわけではありません。やっぱりいい筆が必要だというのも確かですが、ボロい筆だからといって字がかけないわけではありません。
ですので、なるべくいい部下を集めなければならないですが、「使えない部下がいるから成果が出ない」というのは管理職の能無しを表しているだけです。


■部下の成長は上司の成果

部下が成長したら、その上司を評価してあげなければなりません。そうでないと、できない部下の上司に誰もなりたがらなくなります。マネジメントを任された社員も、嫌がらずに面倒を見てほしいと思います。何も難しいことはありません。

「マネジメントをするのが苦手」「マネジメントは大変」と言う人は、やる気のない社員や、まだ力不足の社員、新人のマネジメントを嫌がります。

たとえば、成長レベル(仕事ができるレベル)において一般職層が下から1〜3等級まであるとすると「1 等級や2 等級の社員の面倒を見たくない」と言います。

しかし、それでは会社で活躍することはできません。

なぜなら、「できない部下でもうまく使って成果を出せる上司」を経営層は最も評価するからです。

たとえば、以前中日ドラゴンズの監督だった星野仙一氏は、他の球団から自由契約になった選手を使って優勝までしましたね。こういうのが高く評価された結果いまの彼があるわけです。
スーパースターばかり集めた某球団が優勝しても、その監督の実力だと高く評価されないでしょう。逆に優勝できなければボロクソですね。

ここで問題なのは経営層はそれをはっきり社員に公言しないことです。
「できない社員はいない」というのが経営者の建前なので、それと矛盾することは言えないんですよね。

だからと言って、それを額面通り受け取ったらバカを見ます。

部下を成長させて業績に貢献させられる上司は経営層にとって非常に心強い戦力なんですよ。

さらに、部下に成長を実感させることによって、その部下の上司に対するロイヤリティ(忠誠心)は高まります。結果その上司はより活動がしやすくなり、集団としての能力を上げてくれる存在になるんですね。

あなたがもし管理職になったり、チームリーダーになったりしたら、最優先でするべきは、

 できない部下にも成果を出させるようなマネジメントをする

ことです。




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