「給料が安いので転職したい」
について、質問箱では書ききれなかった考慮点などについて書いておきたいと思います。
まず考えないといけないのは、経営者とサラリーマンでは「給料」に対する概念が違うという点。
ただし、これは私が知っているほんの一部の事実を概念化して書いていますので、実際のところすべての会社に当てはまるわけではないと思います。したがって、私の個人的感覚が多分に入っていることを先にお断りしておきます(まぁブログなんてそんなものですが…)。
では本編。
■給料ってなに?
まず、サラリーマンがもらっている給料とはどういうものなのかについて考えてみたいと思います。
サラリーマンにとって給料というのは、それによって生活を賄う経済的原資になるものです。だから、大いに越したことはありません。その給料というのはなぜもらえるかというと、サラリーマンの意識としては
「自分の時間を会社に売った対価」
という認識が基本にあります。だから、嫌だろうがつまらなかろうが出勤して、定時になるまでひたすら上司から言われたことを頑張るわけです。
※さらに、会社はマズローの欲求段階説にあるように、所属の欲求、承認の欲求といった人間の根源的な欲求を満たしてくれる場でもあります。
一方、経営者から見るとどうかというと、もちろん「生活給」としての意味を否定することはありませんが、基本的に給料というのは
会社経営に対する貢献度(割合)
です。会社の経営計画にある給料(経営費用の一部)の原資全体を従業員に配布したものが給料ですね。
つまり、給料を決めているのは
あなたの会社経営に対する貢献量を
従業員全体の貢献量で割った比率
で給料原資を配分したものです。
だから、サラリーマンがどれだけの時間努力しようが、経営に対する貢献度が低ければ給料は安くなりますし、原資の総量が少なければ同じように安くなります。
サラリーマンから見ると自分の時間やスキルを売った対価なので絶対値にちかいですが、会社から見ると給与配分対象者(従業員)全員の相対値なんですよ。
さらに給料の原資というのは、会社にとってはコストなので、極力少ないほうがいいですが、自分(経営者)がもらえる分は多くしたい。だから、「利益の貢献度」ではなく「経営の貢献度」で測るわけです。利益で計れば現場の販売担当者が最も貢献度が高いですが、経営の貢献度ではかれば会社のヒエラルキーにしたがって貢献度が上がりますね。
■概念が違えば議論にならない
この辺りが、サラリーマンの給料の感覚と経営者のもつ給料の感覚の違いだと思います。なので、給料と言わずに「給与」というわけですね。
だから、サラリーマンは多くの人が「自分の給料は見合っていない」と考えているし、経営者の多くは「給料は十二分出している」と考えるわけです。根本的に考え方が違いますので。
もしあなたが「給料が少ない!」という不満があるとしたら、まずこの経営者から見た「給与の概念」とあなたの「給料の概念」の違いを理解して手を打たないと、お互いに話が噛み合いません。
たとえ、あなたが「給料が少ない!」と交渉に行ったとしても、「会社としてやれることはやっている。君だけを特別扱いする理由はない」と言われてしまいます。
同じ次元で話をしないと話はかみ合わないわけです。
要求はこちらが出す方なので、こちらから歩み寄らないといけないわけですね。
「もっと会社に貢献したい」と言えば経営者としても拒否する理由はありません。
「では、何を持って貢献するか」という点は提案しないといけませんが。
■どうやって給料を増やすか
では、どうやって給料を増やすかについては、また明日の記事で書きたいと思います。