承認欲求を満足させる



最近は叱る側になることのほうが多かったですが、昔はよく怒られました。

とくに製造現場の人は怖かったです。
私は開発部にいたので、図面だとか製品プログラムを提出するのですが、時々失敗して再リリースする時があります。そんなときに、

 「バカヤロー 何してくれてんだ!」
 「今まで作った製品、お前が一人でリワークしてこい!」

なんて言われたりしました。

そんな時の対応方法を

 承認欲求を充足させる



という手段を知っていたらもうちょっとうまくかわせたかもしれません。

■謝らずに感謝する


相手が起こっている時に、多くの人は

 「ホント、申し訳ありませんでした」
 「はい。反省しております。今後二度とおこさないように…」

って言うのが普通なのかもしれませんが、逆効果の時があります。

相手が自分より年上で、仕事関係者であれば、「こいつは育ててやろう」とか「もうちょっと厳しくしないと反省しないな」とかいういわゆる上から目線で叱る時があります。

本人は叱っているつもりでも、叱られる方は単に怒られているだけのような気がするので、反射的に、「申し訳ありません」などと言ってしまうんですね。

攻撃を避けようと必死になってしまいます。

これが逆効果。
でも叱っている方は「こいつのためだ」とかいう思いもあって、さらに感情もでてしまって、

 「ほんとにわかってるのか!」
 「どう反省したのか言ってみろ!」

とか突っ込んできたりします。
実はどうして怒られているのかわからなかったりすると、火に油。

相手の攻撃をやめさせようと思ったら、「あなたを尊敬しています」「あなたには感謝しています」という「あなた」を中心にして相手の攻撃を打ち返さないといけない

 「いつも教えて頂いてありがとうございます! 感謝しております!

これで攻撃が収束します。

避けようと誤ったり、正当化しようとして言い訳をするよりも効果があります。

人間には「自分を認めてほしい」という承認欲求があります。
承認欲求は、相手から「あなたのことを尊敬しております」「感謝しております」という承認行為によって満足させられるんですね。

 「ありがとうございます」

と言われて腹が立つ人はいません。

これをペーシングを使って、相手の声の調子やボリュームに合わせて発すると相手の怒りは和らいでいく場合が多いです。
※必ずというわけではありませんが。







■同じテーマの記事

記憶術:応用を考え自分の現実に当てはめる

教えられたそのものを記憶していれば、高得点がとれた学生時代と違い、社会人の勉強は、本に書いてあることを完璧に覚えていても意味をなしません。使えない知識はないのと同じです。使える知識を蓄えるために、記憶をしようと思ったら、使っている場面を想定することです。応用できるか?たとえば、有名な「マズローの欲求5段階説」というものがあります。欲求段階説(よっきゅうだんかいせつ、..

きっかけを聴く―部下・後輩の無理筋な要求への対応

ムチャな要求をしてくる部下「忙しくてたまらないからもっと増員してほしい」「機能のあるアプリを買ってもらえると××できるようになる」部下・後輩からこういう要望やアイディアが出てくる時があります。増員やアプリの購入などは予算や計画があることですし、簡単には出来ません。私の同僚でも、従業員満足度を上げるために部下の要望をざっくばらんに聞きなさい」と言われるけど聞いてしまったら何らかのアクションが必要になるが、それを上司(部門長)が簡単に認めてくれるわけがない。結..

上司のための心理学

本日は、部下を持った人、あるいは部下を持つ直前の人に読んでほしいビジネス書の紹介をします。まだまだ若い人で、部下を持つなんてまだだいぶ先のことだと思っている人も、本書にあげてある程度の言葉は、その概要と実際にどのように応用するのかについて、一つづつ勉強して置くとすごくいいです。というのは、本書に書いてある事柄がすごく網羅的で、それぞれの1節ごとに本が何冊かかけてしまえるくらいのボリュームを持ってます。なので、この本を読んだだけでは、初めての言葉は消化不..

社会人になってからが本当の勉強

就職試験などで最初に見られるところは何でしょうか?私が中途採用をしたり、派遣社員を受け入れたりするときに最初に見るのは最終学歴と表彰履歴、取得資格です。かつての高度成長期の日本では、「学歴」が大きく幅を利かせていました。昔ほどではないにしろやっぱりそういうのは残ってます。今後はますます影響度が小さくなっていくのかもしれませんが。ただし、学歴では能力は計れないのも事実です。学歴が高いからといって、仕事ができる人であるというのは間違いですし、学歴が低いから仕事が..

ペーシング・ディスペーシング

コミュニケーションについて勉強したことがある人はペーシングディスペーシングという言葉を聞いたことがあるかもしれません。ペーシングとは、相手のペースに合わせることで相手との心理的な距離感を縮めて、信頼関係を築きやすくしようという技法です。合わせる対象は様々でですが、大別して以下の様なものです。体の状態(姿勢、重心の位置、手足の位置、表情)親近感を作る方法の一つは、相手と同じ姿勢をとることです。例えば、相手が腕を組んだら、こちらも腕を組むという方法です。さりげ..

承認欲求を満足させる

最近は叱る側になることのほうが多かったですが、昔はよく怒られました。とくに製造現場の人は怖かったです。私は開発部にいたので、図面だとか製品プログラムを提出するのですが、時々失敗して再リリースする時があります。そんなときに、「バカヤロー何してくれてんだ!」「今まで作った製品、お前が一人でリワークしてこい!」なんて言われたりしました。そんな時の対応方法を承認欲求を充足させるという手段を知っていたらもうちょっとうまくかわせたかもしれません。謝らずに感謝する相手が起..






posted by 管理人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 心理技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック