相手の立場によって言い方を変える




毎日いろんな人からのメールを貰いますよね。
とくに、職位が上がるほど、CCでメールを貰ったりするようになって、メールの量は爆発的に増えていきます。

私の場合は、1日に約400〜800通。多い時で三桁いきます。

■「ご支援をお願いします」では分からない

よく文末に

 「ご検討ください」
 「ご支援をお願いします」
 「ご協力をお願いします」
 「ご確認をお願いします」

という文章がついてます。

ところが、本文をいくら読み返しても、何に協力していいかわからないんですよ。
だいたいそういうメールは過去ログ行き。何も起きません。

過去の「サラヒン〜サラリーマンの仕事のヒント」の記事でメールの書き方については何度かコメントしてますので、具体的にはそちらを見ていただくとして、本日はこういったコミュニケーションミスを防ぐための考え方について。

■相手の立場と知識を考える

多くの蒸気のようなメールを出したり、意味不明な説明をしたりする人の問題点がこれ。

 相手の立場や、知識範囲を理解していない

ということです。

最近良く言われることに「専門用語や3文字略語を使うな」というのがありますよね。これもこの問題点を指摘した具体的な方法のひとつです。

会社の経営や財務がわかっていない人に、ROE, ROI, ROAとかいっても意味不明ですよね。
だからと言って、総資本利益率, 自己資本利益率 と日本語にしていってみてもバカにされてるようにしか聞こえません。

同じことは打ち合わせをするときにも言えます。

残業規制などもあり打ち合わせの効率を高めようと

 いきなり前回の会話の続きから入る

なんてことをしたら、その課題について事前に考えてきている議事進行係は当然大丈夫でしょうが、他の出席者は「これって何の会議だったっけ?」程度で出席しているので、ついていけません。「議論が進まない」なんて嘆いても、「あんたのやり方が悪い」ということ。

また、出席者が一般職ばかりなのに、「業務として新たに○○を△△部さんにお願いします」なんて言われても答えようがありません。課長・部長に投げるような質問・依頼をヒラ職員にしても答えられるわけではないのです。「部門間会議に出る以上は部門の代表として応答すべき」というのは建前や心構えの話で、その判断が部門に及ぶようなことは責任者でなければ発言できないことが現実論としてわかってない証拠です。

■相手の顔を見て何を言うかを考える

相手の理解レべルに合わせる、というと少し語弊があるかもしれませんが、こういったことは実は皆さんも普段やっていることです。

例えば、子供に説明する時と友人に説明する時などは、言い方を変えますよね。
相手の顔を見て、その人が自分とどこまで前提情報を共有できているか、そこを理解したうえで話をするのが上手な伝え方です。

普段の生活ではできているのに、仕事になると丁寧なコミュニケーションができない人が結構います。自分の言いたいことだけを言っていないか、相手のことをきちんと考えているか、立ち止まってチェックしてみてください。


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posted by 管理人 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 交渉・会議・面接 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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