KKDとロジカルのバランスをとる




ちょっと前までKKDという言葉が流行った時がありました。
KKDというのは

 カンと経験と度胸

の略で要するにいい加減なものの代表みたいな感じ。

これが流行ったということはそれが批判されたということで、その対立概念的に流行したのがロジカルシンキング。

■なぜロジカルシンキングが流行したか

この時期は、年功序列制が云々された時期と重なります。ちゃんと調べてないですが。

つまり企業で業績が思うように伸びなくなった。どうしようかと迷っているところにコンサルタントみたいなのがつけこんで、

 いままではKKDみたいな曖昧な基準でやって来たからうまくいかないんです
 ちゃんと理論を立てて、その理論に従って行動すればうまく行っている会社がありますよ

などとえらい学者さんや経営の大家がおっしゃった。で、結局猫も杓子も…。

この理論は理論付けるのが大好きな欧米人が作ったものなので、そのあたりも有難がる理由になったのかも。

つまり、そのロジカルなものを企業に売りつければ金儲けのネタになったと。

ま、この記事では別にそれを批判したいわけでも、文化論を述べたいわけでもありませんが。

残念なのはカンや経験みたいなものが軽視される環境が大きな企業を中心に出来上がってきたこと。
それを伸ばすための方法論が放置されてしまったことです。

■バランス感覚

私の感覚的にも「ロジカル」な話のほうがわかりやすいです。
これは全く否定するものではありません。

ただロジカルというのは誰が考えても同じ結論に行き着くようにするもの。
それでは「あなた」という個性を活かすことはできません。

「あなた」という個性は、あなたの過去に経験したことや学んだことをベースに作る必要があって、そこに人を説得するためのツールとしてのロジカルシンキングがあることで始めて光ります。

だから、経験からくるカンやを重要視してください。

 理由はわからないが、きっとコレだ!!

があって、それを周囲に納得する手段としてロジカルをつかうと、メンバーとしてもリーダーとしてもスピード感がある人になれるような気がします。

という私のカンです。


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