世の中には多くの面接対策本が出版されていますが、実際役に立っているのかというと、どうも面接官をする私からみると、代表的な解答例をそのまま丸暗記したような回答をする人で、合格させた人は記憶にありません。
※ということはそれだけ私もその本を読んでいるということですが。
この記事を書くためにもときどきそういった本を読んだりWebを見たりしていますが、これらはどんな人にでも当てはまるような回答しか書いてないんですね。
そういうのをそのまま自分の回答にするのはすごく安易なのですが、まったく説得力がないんですよ。
その人の経験に基づいて、その人の言葉で紡がれた言葉というのは、恐ろしく説得力があります。
言葉自身が稚拙な時もあります。それはその人の勉強不足を表すものであって、経験したこと自身やそれから学んだことというのは、その人の人生そのものであり、今後の成長を期待できるものなんですね。
一方で経験に基づかない飾った言葉というのは、その人の退化を表す言葉に聞こえます。
いろんな部下を持って仕事をし、いろいろな人との面談をするようになると、その経験から、この2つの表現の違いは一発でわかります。
■面接官の意図
面接官は当然ですが候補者(中途採用でも昇進・昇格でも)にいろいろな質問を投げかけますが、その意図はすごく単純です。
その人にコンピテンシーが備わっているか
その人のコア・コンピタンスは何か
その人は今後の成長が期待できるか
その人の価値観は会社で期待する価値観と同じか
の4つのいずれかまたは複合です。
■面接官の意図を汲み取って回答する
本当は短時間で終わらせるためには
「あなたのコンピテンシーは何ですか?」
と聞いてしまうのが面倒がないのですが、そんなこと面と向かって質問されて答えられる人はいません。だからしかたがないので、「あなたが過去にぶつかった問題はどんなものがありましたか?」と聞くんですよ。
多くの不合格になった候補者はこの時に、
「このプロジェクトでは役員の承認を得るのが難しかったです」
などとプロジェクトの大きな問題をあげます。次に来る質問を想定せずに。で、次に来る質問は
「その時あなたはどう考え、何をしましたか」
で、大体行き詰まります。
「プロジェクトリーダが頑張りました」
「みんなで課題について対応策を考えました」
こんな答えになるんですね。
面接官は、あなたのコンピテンシーのひとつである問題対応能力を聞こうとしているのだから、あなたが主役となって解決した問題を最初の問題として挙げないといけないんですよ。
あらゆるコミュニケーションでも同じですが、
なぜその人は、その発言をしたのか
という意図が汲み取れない人は会話にならないですし、会話しても上っ面を撫でているだけで核心に触れることはできません。
まぁ発言の意図がわからない人は面接で不合格になっても、その理由はわからないので、毎年同じことを繰り返すんでしょうね。
ちなみに私の会社では3回連続で昇進面接に失敗すれば、原則アウトです。
もう推薦をしてもらえません。明文化されているわけではありませんが。
■参考図書 『転職面接の9割は成功する』
◆アマゾンで見る
●単行本
改訂版 採用側の本音を知れば転職面接は9割成功する
●電子書籍
採用側の本音を知れば転職面接は9割成功する (中経出版)
◆楽天で見る
●単行本
【楽天ブックスならいつでも送料無料】採用側の本音を知れば転職面接は9割成功する改訂版 [ 小... |
採用側の本音を知れば転職の書類選考は9割突破する |