流れを変えてはいけない







★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

原文:善戦者、求之於勢、不責於人。
読み:善く戦うものは、これを勢に求めて人に責めず。
意味:巧みに戦うものは、事の勢いを利用して、個人のカに頼らない。

ものごとには「流れ」がある。あわただしく急転するようなら、それに合わせて迅速に対処するし、ゆったりと停滞するようなら、あえて悠然と構える。たとえ流れを変えられるくらい有能であっても、わざわざ流れに悼さすのは得策でない。

山田史生(著) 『下から目線で読む孫子
――――――――――――――――――――――――――――★


サラリーマンとして会社の中でうまくやっていこうと思うのであれば、「流れ」を無理に作ってはいけません。「流れ」に乗るほうが効率的ですし、確実に成功をするコツです。

 流れは作らず、他人が作った流れを素早く発見してそれに乗っかる
 ゴリ押しをせずに、みんなの意見に合わせながら自分の見せ場を作る

ことが会社で最後まで生き残り、成果も同僚と比べて「やや多い」ところいただくコツです。

流れに上手く乗れば、小さな力で大きな結果を出すことができます。他人の力も利用しやすくなります。
流れのちからを利用して、つまり流れに乗って、無理をせず
もっとも、

 超一級の成果がほしい
 一発逆転をしたい

と思う人は別です。
「流れ」を作らなければなりませんし、時には流れに逆らって新たな流れを作り出すことも必要です。ただしこの時には「出る杭は打たれる」ことを覚悟し、その打撃に対して反撃出来るだけの力を持つことが重要です。つまりうまくいけば結果も大きいがリスクも大きいことを覚悟するべきです。

反撃する力もないのに無理をすれば、反動を全身に受け再起不能になります。

自分の力と場の空気をよく見極めて行動しましょう。





■参考図書 『下から目線で読む孫子




歴史上、数々の支配者たちに熟読されてきた兵法書の古典『孫子』。人間心理への深い洞察をもとに必勝の理を説いた同書を、視点をひっくり返して読んでみたら、何が見えてくるのか。自明とされた「勝ち」というものが、にわかに揺らぎ始めるかもしれない。『孫子』のなかから、これぞという言葉を選び、八方破れの無手勝流でもって解釈しながら、その真意を探る。





◆アマゾンで見る◆◆楽天で見る◆◆DMMで見る◆

下から目線で読む孫子
著者 :山田史生

下から目線で読む孫子
検索 :最安値検索

下から目線で読む孫子
検索 :商品検索する



●本書を引用した記事
 勝ってはいけない
 見勝不過衆人之所知、非善之善者也
 流れを変えてはいけない
 すべてが揃わなくとも始める
 すべてが揃わなくとも始める
 兵とは詭道なり
 下から目線で読む孫子

●このテーマの関連図書


日曜日に読む『荘子』(ちくま新書)

絶望しそうになったら道元を読め! 『正法眼蔵』の「現成公案」だけを熟読する(光文社新書)





■同じテーマの記事

勝ってはいけない

今となっては随分昔の話のようですが、戦時中こんな標語があったそうです。撃ちてし止まむちょっと古い言い回しなので分かり難いですが、もとは古事記の神武東征の中に出てくる「みつみつし 久米の子が 頭椎 石椎もち 撃ちてし止まむ 」という歌に起源があるそうで、意味としては敵を討ち滅ぼすまではやめないというような意味(だいぶ意訳)だそうです。でもサラリーマンがこういう発想だとたいていは失敗します。その場は勝ったとしても、後..

見勝不過衆人之所知、非善之善者也

孫子の兵法にこんな一節があります。見勝不過衆人之所知、非善之善者也。以下はいつものように勝手にWebから引用『見勝不過衆人之所知、非善之善者也、戰勝而天下曰善、非善之善者也』(勝を見ること衆人の知る所に過ぎざるは、昔の善なる者にあらざるなり。戦い勝ちて天下善なりというは、善の善なる者にあらざるなり)勝利を読み取るのに一般の人々にも分かる程度の理解では、最高..

流れを変えてはいけない

原文:善戦者、求之於勢、不責於人。読み:善く戦うものは、これを勢に求めて人に責めず。意味:巧みに戦うものは、事の勢いを利用して、個人のカに頼らない。ものごとには「流れ」がある。あわただしく急転するようなら、それに合わせて迅速に対処するし、ゆったりと停滞するようなら、あえて悠然と構える。たとえ流れを変えられるくらい有能であっても、わざわざ流れに悼さすのは得策で..

すべてが揃わなくとも始める

原文軍無輸重則亡、無糧食則亡、無委積則亡。読み下し軍に輔重なければ、すなわち亡び、糧食なければ、すなわち亡び、委積なければ、すなわち亡ぶ。有名な『孫子の兵法』の一節ですが、面白い解釈が下記。意味機動力や食糧や道具といった先立つものがないようでは戦えない。身も蓋もないようだが、けっきょく物心ともに「備え」のあるほうが強いのである。「備えあれば憂いなし」というより、備..

すべてが揃わなくとも始める

原文軍無輸重則亡、無糧食則亡、無委積則亡。読み下し軍に輔重なければ、すなわち亡び、糧食なければ、すなわち亡び、委積なければ、すなわち亡ぶ。有名な『孫子の兵法』の一節ですが、面白い解釈が下記。P107意味機動力や食糧や道具といった先立つものがないようでは戦えない。身も蓋もないようだが、けっきょく物心ともに「備え」のあるほうが強いのである。「備えあれば憂いなし」というより、備えがないよう..

兵とは詭道なり

おそらく大抵の人が知っている孫子の兵法の一節。原文兵者,詭道也。故能而示之不能,用而示之不用,近而示之遠,遠而示之近。利而誘之,亂而取之,實而備之,強而避之,怒而撓之,卑而驕之,佚而勞之,親而離之,攻其不備,出其不意。此兵家之勝,不可先傳也。読み下し兵とは詭道なり。故に、能なるもこれに不能を示し、用なるもこれに不用を示し、近くともこれに遠きを示し、遠くともこれに近きを示し、利..




posted by 管理人 at 05:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 巨人たちの言葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック