■リーダー育成カリキュラム
組織というのは、組織を率いる人が絶対に必要です。
そこで「組織を率いる人」=「リーダー」の育成がしたくなるので、世のコンサルたちはこぞって「リーダーとはこういう人たち」で「こうすればそのリーダーを育成できる」という
リーダーシップ育成プログラム
というのを発表して、企業から教育費用を出してもらおうとします。
これが「リーダーシップ教育」の根幹です。
多くの著名なリーダーシップがあるといえる人たちを調査し、その行動特性を一覧表にして、それは習得可能なスキルだと言えば、教育によって優れたリーダーを輩出できる事になります。
はい、リーダー生産装置のできあがり。
■リーダーシップとは?
リーダーシップに関する本を読まれたことがあると思います。
これを比較したことがありますか?
私は、リーダーシップに関する本を読んで、「なるほど〜。これがリーダーシップか」と思っていたのですが、それをチェックリスト化してみると色々困ったことが置きました。
多すぎるんですよ。私のような凡人には理解できない。
例えば、古典の部類ですが、ウォレン・ベニス著『リーダーになる』ではリーダーシップの本質は
・指導者としてのビジョン
・情熱
・誠実
・信頼
・好奇心
・大胆不敵
と書いてあります。なるほどね。否定するところは全くありません。
では、J.W.ガードナー『リーダーシップの本質』という本では、「リーダーとマネージャの違い」というところに、
・長期的に考える
・物事を広い視野で捉える
・自分の管理下以外の人にも影響をおよぼすことが出来る
・人々の言動に潜む非合理的で、無意識の目に見えない点を重要視する
・多くの関係者とうまく付き合うための政治的手腕がある
・現状に疑問を抱く
と書いてあります(適当に要約したので間違っていたらゴメンなさい)。
あれ、ぜんぜん違うじゃない
どれも多分セミナー等で言われれば「そうだよな〜」とは思うのですが、こうやって比べてみると言っていることが違ってません?
ちょっとドラッガーも引用すると
・自らをマネジメントすることが出来る
・時代を読み解く能力
・変化をチャンスとみなす
:
まだまだいっぱいありますよ。
■わからないんじゃないの?
で、私が得た結論は、
要するに、わからないんじゃない
ということ。多くの人を率いて何らかの世に影響をあたえるようなことをした人がリーダーとして優れているのであって、それをバラバラにして、理屈をくっつけて、さも普遍的理論のように示すと言うのは研究者の大好きな考え方ですね。
それが真実かというと、宗教に近い。信じて結果を出した人については正解だったけど、結果が出せなかった人は「信仰心がたらない」「努力が足らない」からという理屈で、ダメだった理由が別にくっつきます。
■教育ではリーダーになれない
で、私の結論。
リーダーを育成する方法はない
まあ、そういうことですよ。
リーダーになる人は、なるべくしてなるのであって、誰かに何かを教えてもらったとしても、それは単なる知識レベルのことで、それをどのように使ってどのように成長していくかは本人の正確や職場の環境、世界情勢などに影響されるので、同じ方法は通用しないと考えます。
だからと言って、リーダーになって欲しい人を放置しておいて、優れたリーダーになるまで待つのかというとそういうわけにも行かないので、こうした一般論を勉強して、その中で自分にあったやりかたを自分で経験的に習得していくしか方法がないということですね。
ただひとつ多くのパターンに共通しているのは、優れたリーダーにはそのリーダーの欠点を補うナンバー2がいるという点はあるかもしれません。スティーブ・ジョブズにはスティーブ・ウォズニアックがいたわけです。
あなたがリーダーになろうと思うなら、自分とはタイプの違う部下をナンバー2にするように育てるというのはいい作戦かもしれません。
これも、上記の偉人たちが言っているリーダーの要素の一つに過ぎませんが。