いろいろな仕事術や時間術を学び、仕事で成果が出るようになると、「昇進」という言葉が現実のものとして捉えられるようになってきます。
でもあなたの上司から推薦を受けないと昇進はできません。
この時、決め手になるのは何でしょうか。
・過去の仕事の成果
・コンピテンシー
・リーダーシップ
・マネジメント能力
いろいろあると思いますが、最も確実にあるのは
人間関係を築く力
です。
■直接・間接の上司からの評価は何で決まるか
昇進を推薦するのは、上司とさらにその上司です。
彼らはどのような基準で推薦するのかというと、
・昇進させる空きポストがあること
・同僚にしてもいいと思える人であること
が決め手です。決してその人の業績がいいからとか、いろいろな仕事力が高いからという点では決めていません。
空きポストについてはあたり前なのですが、多くの人がこの「候補者の人格」という部分については語りません。
だって今どき、こんな曖昧な評価基準が公式に受け入れられるわけはないのですから。
でも周りの昇進した人をよく観察してみてください。
若くして昇進した人は
・役員層に人脈がある人
・仕事がダントツに出来る人
かもしれませんが、ある程度の年齢になって昇進した人というのは、仕事力で言ったら実は大したことはなくて、それよりも
・対人関係のバランスをとることがうまい人
・極端な行動に走らない人
というのが多いのではないでしょうか。少なくともウチの会社ではそうです。
■人事は属人関係で決まる
所詮人間は、自分の好きな人に囲まれていたいと思うものです。
どんなに偉そうな理論理屈を言ったとしても、自分(上司)に突っかかった来たり、自分の「やろう」としていることに正論を吐いて反対する人は好きにはなれません。
そんな人と一緒に仕事をしたいとは思わないんですね。
これは役職が上になればなるほどその比重が高くなります。
役員になれるのは、役員と接点が多くウマが合う人だけなんですよ。
そう考えていれば、どうやったら昇進できるかは、仕事を一生懸命したり、MBAホルダーになることではなく、関係する役員や上司と話を合わせたり、都合よく動く人になることです。
そんなのプライドが許さない
仕事としてあるべき姿と違う
と思う人はそのようにすればいいですが、その結果「昇進できない」という可能性も受け入れる必要があるということですね。
「おべんちゃら」も必要だと心得ることです。
豊臣秀吉は、織田信長の草履をふところで温めていたから名前を覚えてもらい、「殿様〜、殿様〜」とお追従(ついしょう)したから、あれだけ引き上げてもらったんですよ。
その地位を維持したのはもちろん能力でしたが。
それは織田家家臣団が本能寺の変後きれいさっぱりいなくなった(歴史の表舞台から消えた)のと同じですね。トップが信長だったから歴史に名を残せたわけです。家康をトップとするその後の歴史にとってはいてもいなくても変わらない程度人物だったんですね。
属人関係だけでのし上がると、属人関係の薄い人がトップになれば不要になる人がいっぱい出ます。
でも、会社で政変がおこることは少なくて(歴史上でもそうですが)、やっぱり上司との関係を良好にしている人だけが次世代を担うことになるんです。
あなたは上司やその上司と人間関係を作っていますか?
あなたは、上下や同僚との人間関係で問題を起こさないようにしているでしょうか?
感情に任せて暴言を吐いたりしてませんか?