「私の目標は××です」
一言で表された目標を手帳の最初のページに書く。
よく自己啓発書に書かれることですが、その目標はすでに間違ってます。
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今日、目標管理すなわち目標によるマネジメントについての議論のほとんどが、「唯一正しい目標」を探求するものである。しかしそれは、賢者の石を探し求めるように空しいだけではない。明らかに毒をなし、誤って人を導く。
P.F.ドラッガー著 『現代の経営』
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会社の目標はひとつではありません。
同じように個人の目標もひとつということはありません。
今期どれだけ成長するかという目標と、どれだけ成果を出すかという目標が相反することも少なくありません。
成果を出すためには、過去に蓄積した能力を使う必要がありますが、成長のためには、無い能力を育成する必要があります。
ドラッガーは、マーケティング、イノベーション、生産性、人的資源などの複数の必要な目標を挙げ、そのバランスをとることが重要であると述べています。
個人としても、長期・短期の目標、成果と成長の目標など様々な切り口でバランスをとる必要があり、さらには仕事以外にも友人関係、家族関係、健康なども考慮しなければいけません。
そして目標は単独では達成できるものではなく、様々な背景をもち、相互に作用する様々な活動の集大成として達成されるものです。複数の目標が相互に影響を及ぼします。
唯一の正しい目標はなく、複数のバランスをとった目標が必要です。
同時に存在する目標それぞれに目を向けて、今の目標を調整しなければなりません。
■短期目標と長期目標の調和
とくに重要なものが、短期目標と長期目標の調和です。
多くの場合この2つは相反します。
私達が成果を上げるために持っている主な資源は、時間と能力の2つです。
私達は、緊急なものを処理しなければなりませんが、そのためには、緊急でないが重要なものを処理する時間を犠牲にしなければなりません。
このため、「ニパチの原則(20:80の法則)」を使い、短期的成果をいかに短時間・最小労力で最大の効果を得るかを検討して、将来の成果のための時間を捻出しなければなりません。
■参考図書 『現代の経営』
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●関連 Web
現代の経営 上 P・F・ドラッカーさん著 - YouTube
上田惇生 ホームページ
●本書を引用した記事
数値評価のワナ
考えは伝えられない
「以下の通り」は使わない
面接質問「どんな貢献ができますか?」
今年の目標は何ですか?
ワークライフバランスを整えてますか?
時間の使い方を記録する
習慣の力を活用する
伝達の技術:どう伝わったかを判断する方法
目標は自分だけが管理できる
●このテーマの関連図書
ドラッカー名著集3現代の経営[下]
ドラッカー名著集1経営者の条件
創造する経営者(ドラッカー名著集6)
ドラッカー名著集15マネジメント[下]―課題、責任、実践
ドラッカー名著集14マネジメント[中]―課題、責任、実践
ドラッカー名著集13マネジメント[上]―課題、責任、実践