知識と情報、知識の血肉化




考える力は、他人が出した結論を見るだけでは絶対に付きません。
自分の頭で考え、それを整理し、行動してそれをさらに最初の考えにフィードバックするというループによってのみ強化されます。

本カテゴリでは、さまざまなテーマを設問としてご紹介していきます。
そのテーマについて、ノートに自分の考えを書き出して、それから導き出される結論に基づくアクションを決定して行動してみてください。その結果自分の考えがどのように変わったのか、一度このノートをを見なおしてください。




 Practice Makes Pefect!!



■本日のテーマ「あなたの持っている知識」



私が時々出没するYahoo質問箱で「仕事ができるようになりたいので、いい本を教えて下さい」というような質問を時々見かけます。

仕事に必要な情報を積極的に仕入れていくことは素晴らしいので、なるべくその人にあった本を紹介したりはしてますが、その本が役立つかどうかは、本の内容ではなく、その人の行動次第です。




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知識は、本の中にはない。本の中にあるものは情報である。知識とはそれらの情報を仕事や成果に結びつける能力である。

P.F.ドラッガー著   『想像する経営者』
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情報と知識は、どう違うのでしょうか。

例えば私の専門であるソフトウェアを学ぶためには、ソフトウェアの記述言語を知る必要があります。ただそれだけではなく、代表的なアルゴリズム、構造化、さらには、それらを使って表示装置を動かすことから、ネットワーク通信のやり方、OSの処理方法まで相当広範囲な情報が必要です。

これらの多くは大学やセミナーでで学べることです。

では大学を出たばかりの人と、10年以上プログラマとして活動した人の情報量は違うのかというと、実際大した違いはありません。
※逆に若い人のほうがより新しい知識を多く持っていることも少なくありません。

違いがあるのは、多くの情報の中から、それぞれの場面でどのような情報を適用するのが最適なのかを判断する力です。さらにそれを実際に個別のプログラムとしてつくり上げる力が違います。

この結果、新卒入社のプログラマが1ヶ月かかってもできないようなプログラミングをベテランであれば1日で仕上げることができたりします。

どんな仕事でもこういった構造はかわりません。

必要な情報や基本的な技能を修得することで、単に「知っている」状態から「理解している」「必要な場面、場面で応用できる」状態に持って行き、実際の行動を通じて成果を出していく。そのような能力を身につけて初めて、知識を得たといえるのです。

どんな会社にも、どんな職種にも、情報と知識の違いがあり、それが仕事の質を左右します。


■本日のお題



 あなたの持っている知識は何ですか

上記のように知識を定義した時に、あなたの持っている知識は何でしょうか?
それを3つ以上ノートに書き出し、それを証明する出来事(経験)をそれぞれ2つづつ上げてみてください。

たとえば、製造では

 ・顧客の納期要求データと実際の出荷データ実績から、今週の生産計画を立案すること
 ・作業ミスがあった時に、どのような作業をしたのかという作業分析から今後の作業方法を作成すること。

などです。またあなたが係長・課長であれば

 ・会社の経営計画にもとづいて今年度の部門KPI/PDを設定し、そのPDを達成するための計画を作成すること
 ・遅延し始めたプロジェクトに対して、遅延の回復のための方策を立案し、実行すること

などです。





■参考図書 『創造する経営者(ラッカー名著集6)





立ち読みできます立ち読み可
事業戦略が「発明」された歴史的著作。「今日の事業の成果」「潜在的な機会の発見」「明日のための新たな事業の開拓」を解く。さらには、「社会的存在としての企業とは何か」「プロフィットは外にある」等、経営の本質を説き、『経営者の条件』と並び、経営実践の書として経営者に長らく支持されてきたバイブル。ドラッカー名著集第6弾。





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創造する経営者(ラッカー名著集6)
著者 :P.F.ドラッカー

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●本書を引用した記事
 面接質問「どんな貢献ができますか?」
 意思決定をする
 機会をつかむ準備をする
 勉強好きはどのように昇進・昇格に影響する
 やめる・かえる・へらす
 計画を振り返りましたか?
 成果を上げる5つの条件
 時間を塊にする
 意見から始める
 意思決定をする習慣

●このテーマの関連図書


イノベーションと企業家精神(ドラッカー名著集)

ドラッカー名著集3現代の経営[下]

ドラッカー名著集2現代の経営[上]

ドラッカー名著集8ポスト資本主義社会

ドラッカー名著集15マネジメント[下]―課題、責任、実践

ドラッカー名著集7断絶の時代





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