★――――――――――――――――――――――――――
決定の基礎となった仮定を現実に照らして継続的に検証していくために、決定そのものの中にフィードバックを講じておかなければならない。
決定を行うのは人である。人は間違いを犯す。最善を尽くしたとしても必ずしも最高の決定を行えるわけではない、最善の決定といえども間違っている可能性はある。そのうえ大きな成果をあげた決定もやがては陳腐化する。
P.F.ドラッガー 『経営者の条件』
――――――――――――――――――――――――――★
成果を上げるためには、意思決定の質を向上させる必要があります。
意思決定をしたときの理由を記録していなければ、意思決定の課題は発見できません。また、過去の記憶を自分に都合よく改ざんすることも人間はします。
かならず意思決定にはフィードバックが必要です。フィードバックするためには、それを仕組み化して決定に組み込んでおく必要があるわけです。
具体的には、かならず次のことをします。
・決定したことを書きとめて、いつ振返りをするかを決めてスケジュールに入れておく
・その計画にそって行動の結果を振り返る
・事前に期待した成果と、事後の成果を比較する
・そこから行動を修正するための情報を得る
・次の行動に反映させるためのリストを作成する
・複数の振返りをまとめて、決定と成果の傾向を把握する
◆振返りがなければ改善はない
ドラッカー教授は、あらゆる決定について「フィードバック分析を行っているが、長年続けていてもなお、驚くことがある」と述べています。
予想と結果の比較検討を行い、意思決定による成果の達成度、行動の質や量などの情報を洗い出していきます。そのうえで、修正すべき課題を明らかにします。これが次の行動に生かすべき改善点です。
せっかく得た貴重な情報も、実際に使わなければ意味がありません。思いつきや勢いに任せるのではなく、あらかじめ決定と行動を修正する仕組みをつくっておかなければ進歩はありません。
これは、意思決定の死活問題ともなります。フィードバックは意思決定の質を向上させるのみならず、重大な危機を回避する点でも有用です。
■参考図書 『経営者の条件』
立ち読み可 | ドラッカー・エターナル・コレクション第一弾。 絶大な人気を誇る不朽の名著。成果をあげるためにいかなる行動をとるべきか。己の強みを知り、時間を知り、なすべきこととなさざるべきことを知る。すべての知識労働者に必須の書。 |
◆アマゾンで見る◆ | ◆楽天で見る◆ | ◆DMMで見る◆ |
経営者の条件 著者 :ピーター・ファーディナンド・ドラッカー | 経営者の条件 検索 :最安値検索 | 経営者の条件 検索 :商品検索する |
●関連 Web
ビジネスリーダー講座-日経ビジネス
3分間ドラッカー―ダイヤモンド・オンライン
経営者のバイブル ドラッカーを学べ―WizBiz
ピーター・ドラッカー - Wikipedia
3分間でわかるドラッカー−「経営学の巨人」の名言・至言
●本書を引用した記事
時間を測定する
仕事とは書類を作ることとみたり
スケジュールを見なおしてはいけない
確証のワナ
ManicTime
百万ドルの教訓
マイナス言葉を言い換える
ドラッカー:リーダーシップ力診断
目的に立ち返る
常駐タスクをチェックする
●このテーマの関連図書
ドラッカー名著集2現代の経営[上]
ドラッカー名著集3現代の経営[下]
小説でわかる名著『経営者の条件』人生を変えるドラッカー―――自分をマ…
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか(はじめて読むド…
創造する経営者(ドラッカー名著集6)
イノベーションと企業家精神(ドラッカー名著集)