「努力」と「正しい努力」との差、努力している意識



「努力する」というのは簡単なのですが、どこまでやったら「努力した」といえるのか、みたいな問題は簡単には答えが出ません。

今の社会なら『努力不要論』みたいなのがマッチしているのかもしれません。


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論理思考力を高めるために「反対の言葉」を考える



ロジカルシンキング、論理思考というと、ロジックツリーやマトリックス図、MECE、仮説思考などいろいろなキラーワードがありますが、それほど難しいことを覚えなくても、日本語が使えれば OK という方法があります。

オススメの習慣は

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マッキンゼーの思考技術5:当初仮説の立案とテスト




本連載「マッキンゼーの思考技術」でマッキンゼーの問題解決の3つの柱についてご紹介してきました。

 ・事実に基づく
 ・MECEで構造化する
 ・仮説主導で

本日は「仮説主導」における「当初仮説」の使い方についてご紹介します。

■当初仮説は事実に基づいて

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●当初仮説の「立案」
当初仮説は、事実と構造化が組み合わされたところから立ちあらわれてくるものだ。

したがって、当初仮説を立てる第一歩は事実にある。

しかし、どこを掘れば情報があるのかわからないうちに、むやみにあちこち掘り返すことは避ける。このことを忘れてはならない。
 :
 :(中略)
 :
当初仮説を立てるときに、すべての事実を知っている必要はない。その業界やその間題の全体的なイメージを描けるだけの事実があれば十分だ。あなた自身の業界の問題だったら、必要な事実はすでに頭に入っているかもしれない。

それは結構だが、しかし、事実だけでは十分ではない。そこに構造をあてはめなければならない

当初仮説を立てるには、まず問題をその構成要素に分解することから始める。

キー・ドライバー (3 章の「キードライバーを探す」、68頁参照)に分解するのである。

次に、それぞれのドライバーについて、実施可能な提案を考える。「実施可能な」という点が非常に大事だ。

たとえば、そのビジネスが天候に大きく左右されるとする。現実に、ある四半期の利益に関しては天候が主な決定要因だった。そこで、「天気がよくなるように天に祈る」は、実施可能な提案ではない。

しかし、「天候の変化に影響される弱点を改善する」とすれば、これは実施可能な、大項目になる提案である。

次のステップは、大項目に挙げた提案のひとつひとつを、もっと細かな問題点に分ける。

提案が正しいとすれば、それはどのような問題点を提起するだろうか?
それぞれの問題点について、さまざまな答えの可能性を検討する。

それから、さらに下のレべルの項目に移る。それぞれの問題点について、仮説を証明あるいは反証するためにどのような分析が必要だろうか?
多少の経験を積めば、そしてチーム内で議論を重ねれば、どんなことに可能性がありそうか、なさそうか、かなり確実にわかってくるだろう。

こうすれば袋小路に迷い込まずにすむ。

イーサン・M. ラジエル(著) 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術
―――――――――――――――――――――★


つまり、当初仮説を立てることで、それを証明する方法、あるいは否定する方法を検討し、それを僅かなコンサルティングセッションで導き出すようにすれば、非常に直線的に問題解決のプロセスが進むということです。

これは、最初から答えがわかっていて、その答えが正しいことを証明しなさい、という数学の問題を解くようなものです。

本書で、

 そこに構造をあてはめなければならない。
 当初仮説を立てるには、まず問題をその構成要素に分解することから始める。

と書かれている部分は、最初にご紹介した MECE を使います。

つまり、当初仮説で切り口を決めて、その切り口を分解し、分解したものに抜け漏れがないようにすることです。

これによって、ムダのないコンサルティングプロセスが構築できるわけです。

同じことは普段の仕事でも可能です。

ある課題が与えられたら、それの解決策を思いついたもので突撃するのではなく、その課題の本質は何で、それを誘発している問題は何なのか(当初仮説)を考えます。つぎに、もしそれが正しいとしたら、他にどのような事実が観測されるべきかをリストアップし、たしかにその事実が確認できるかどうかを調べにいけばいいわけです。

その結果、それが正しいという確信が得られれば、その仮説は真実になります。
あとは、その証明過程で出た事実を分類して、もれなく解決してやれば結果は出ます。

ここで漏らせば、あとでバレで慌ててやり直すことになるので、この漏れのない検討(事実を集めるかどうかは別問題です)が必要になるわけです。


■仮説を確認する

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●当初仮説の「テスト」
問題解決のための地図を持って実際に道路に出る前に、やはり各部を点検すべきだろう。

これは、この業界について、クライアント企業について知っているかぎりで考えうるべストの当初仮説だろうか?

すべての間題点を洩らさず考えただろうか?
問題のすべてのドライバーを考えに入れただろうか?
提案のすべてが実施可能で、無理がないだろうか?

当初仮説の立案のところで私は、「あなた」ではなく、「あなたのチーム」と書いた。

マッキンゼーでの経験から、そして、この本を書くためにインタビューしたたくさんのマッキンゼー卒業生の経験からも、チームがまとめた当初仮説のほうが、個人が立てた仮説よりはるかに強力であることがわかったからだ。

なぜか?

たいていの人は自分自身の考えをうまく批判できない

自分のアイデアのあら捜しには、他人の目が必要だ。だから、頭脳明断な三、四人から成るチームこそ、最も優れた手段になる。

イーサン・M. ラジエル(著) 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術
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本書のように人間には思考にバイアスがかかります。自分が「いい考えだ」と考えた時点で、もはやそれは冷静には判断できません。

だから、第三者に検討して貰う必要があります。

自分の考えを誰かに話してみることです。同じ目標を持っているチームなら簡単なことです。仕事はチームでするからひとりでは出せない成果が出せるのですから。




■参考図書 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術

本書は、2つの貴重な意味を持っている。ひとつは、これまで謎に包まれていた世界的なコンサルティング会社マッキンゼーの仕事や組織、経営について、その一端を明らかにしていること。つまり、マッキンゼーそのものがテーマになった本である点だ。もうひとつは、彼らがビジネス経営問題をどのように解決するかを書いていること。つまり、世界中から集められた、きわめて優秀な「仕事師」たちの思考やテクニックを教えてくれている点だ。著者はマッキンゼーで3年間働いた元社員。そこでの経験と、同社を退職した人々へのインタビューから本書を書き起こしている。

本書の主要部分は、ビジネスの問題をどう考え、解決に向けてどんな方法をとり、そして解決策をどう売り込むかという、実際に彼らがコンサルティングを進める手順に沿って展開されている。いわゆる「マッキンゼー式」の真髄は、その最初の段階の「事実に基づき」「厳密に構造化され」「仮説主導である」という3つの柱で示されている。なかでも、問題を構造的に把握して3つの項目に集約させるテクニックや、まず仮説を立て、証明や反証を重ねながら正答に導くプロセスは、ビジネス思考の究極のモデルになるものだろう。

一方で、チームの編成、リサーチ、ブレーンストーミングの各方法や、「売り込みをしないで売り込む方法」など、すぐに応用できる実践的なテクニックも数多く紹介されている。多忙を極めるCEOに30秒でプレゼンする「エレベーター・テスト」や、毎日1つチャートを作るといったユニークなトレーニングもある。また、彼らのストレス対処法やキャリアアップの方法などもスケッチされていて、彼らの「生身」の側面をうかがい知ることができよう。

マッキンゼーの人々の仕事に対する思考やテクニックが、見事に描き出された1冊である。一読すれば、ビジネスにおける強靭な精神と、すぐれた知性の源泉に触れた気になるはずだ。




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マッキンゼー式 世界最強の仕事術
著者 :イーサン・M. ラジエル

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●本書を引用した記事
 かっこいいグラフを作れるテンプレートChartChooser
 「わかりません」にはしつこく食らいつく
 目標は達成可能でなければならない
 すり減らない働き方2
 マッキンゼーの思考技術4:最初の会議で問題を解決してしまう
 マッキンゼーの思考技術3:MECEを守ろうとすると論理が強くなる
 マッキンゼーの思考技術2:問題解決は事実から出発する
 自分より職位が上の人を驚かせてはいけない
 初めての問題は存在しないが同じ問題も存在しない
 キー・ドライバーに集中する

●このテーマの関連図書


マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック

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ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル(Bestsolution)

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マッキンゼーの思考技術4:最初の会議で問題を解決してしまう




本連載「マッキンゼーの思考技術」でマッキンゼーの問題解決の3つの柱についてご紹介してきました。

 ・事実に基づく
 ・MECEで構造化する
 ・仮説主導で

本日は「仮説主導」における当初仮説についてご紹介します。

■当初仮説

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●最初の会議で問題を解決してしまう――当初仮説
  複雑な問題の解決は、長い旅のようなものだ。問題解決のための地図が、当初仮説である。

当初仮説はマッキンゼー式問題解決プロセスの第三の柱だが、説明が一番むずかしい。
読者にわかりやすく、そして、私にとって説明しやすくするために、この項を次の三つの部分に分けることにする。
 ・当初仮説の「定義」
 ・当初仮説の「立案」
 ・当初仮説の「テスト」

イーサン・M. ラジエル(著) 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術
―――――――――――――――――――――★


「当初仮説」という単語自体、あまり仕事では使わないものですが、私は本書を読んでからよく使うようになりました。

前回の記事

 マッキンゼーの思考技術2:問題解決は事実から出発する

で書いたように、問題を解決に導く上で、もっとも効率がいいやり方だからです。
当然、この記事に書いたように、リスクもあります。ある一面だけにフォーカスしてしまったり、バイアスがかかって事実を読み間違えるリスクです。しかし、それを補って余りある効果があります。

そして、マッキンゼーでは関係者との第1回の打ち合わせまでに、この当初仮説という解決策を作り上げてしまうのだそうです。それぞれのコンサルタントは、この当初仮説をそれぞれ作って持ち寄り、それをブラッシュアップさせた上で、コンサルティングに臨むのだそうです。

★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●当初仮説の「定義」
当初仮説とは、要するに「行動する前に問題の解決策を考えること」である。

これは矛盾のように思えるかもしれないが、じつはだれでも、いつでも、していることである。

たとえば、自分の住んでいる町のあまりよく知らない区域にあるレストランへ行くとしよう。

スミス通りを行って、三つ目の角で左に折れて、最初の角で右折、レストランはその角からすぐだ、と教えられている。

スミス通りへの行き方は知っている。そこからこの指示どおりに行くだけだ。そう、それでいい。あなたは当初仮説を立てた。
 :
 :(中略)
 :
前項で使った架空ナントカ社に戻ろう。あなたのチームはナントカ事業部の売上げ増のための方法を見つけなければならない。

ナントカ事業について知っていることを話しあってブレーンストーミングをしたあと、そして、事実を集めて分析する作業にとりかかる前に、次のような大項目からなる当初仮説が立つだろう。

ナントカの売上げを向上させるためには

 ・ナントカの小売販売店向け販売法を変える
 ・ナントカの消費者向けマーケティング法を改善する
 ・ナントカの単価を下げる。

次の項で説明するが、このあと、仮説の三項目のそれぞれを証明あるいは反証するにはどのような分析が必要かを確定するために、もう一つか二つ下のレべルまで詳細に考える。

仮説というのは、これから証明あるいは反証されるべき案にすぎないことを忘れてはならない

これは解答ではない。

当初仮説が正しければ、数カ月後のプレゼンテーションで、それがそのまま一枚目のスライドになっているだろう。

当初仮説がまちがっていたとわかったら、まちがっていることを証明したことで、あなたは正しい解答に向かって進むための情報を手にすることになる。

当初仮説を紙に書けば、そして、それをどのように証明あるいは反証すればいいのかを見定めれば、証明済みの最終解決に向かって進むための道路地図を作成したことになるのである。

イーサン・M. ラジエル(著) 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術
―――――――――――――――――――――★


いかがでしょう? すごく強力な方法だと思いませんか?

私はこの方法を知って、実際に試してからすっかりトリコになりました。MECE もそうですけど、こちらもすごく強力な方法です。

…ということで長くなってしまったので、次回に続く。



■参考図書 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術

本書は、2つの貴重な意味を持っている。ひとつは、これまで謎に包まれていた世界的なコンサルティング会社マッキンゼーの仕事や組織、経営について、その一端を明らかにしていること。つまり、マッキンゼーそのものがテーマになった本である点だ。もうひとつは、彼らがビジネス経営問題をどのように解決するかを書いていること。つまり、世界中から集められた、きわめて優秀な「仕事師」たちの思考やテクニックを教えてくれている点だ。著者はマッキンゼーで3年間働いた元社員。そこでの経験と、同社を退職した人々へのインタビューから本書を書き起こしている。

本書の主要部分は、ビジネスの問題をどう考え、解決に向けてどんな方法をとり、そして解決策をどう売り込むかという、実際に彼らがコンサルティングを進める手順に沿って展開されている。いわゆる「マッキンゼー式」の真髄は、その最初の段階の「事実に基づき」「厳密に構造化され」「仮説主導である」という3つの柱で示されている。なかでも、問題を構造的に把握して3つの項目に集約させるテクニックや、まず仮説を立て、証明や反証を重ねながら正答に導くプロセスは、ビジネス思考の究極のモデルになるものだろう。

一方で、チームの編成、リサーチ、ブレーンストーミングの各方法や、「売り込みをしないで売り込む方法」など、すぐに応用できる実践的なテクニックも数多く紹介されている。多忙を極めるCEOに30秒でプレゼンする「エレベーター・テスト」や、毎日1つチャートを作るといったユニークなトレーニングもある。また、彼らのストレス対処法やキャリアアップの方法などもスケッチされていて、彼らの「生身」の側面をうかがい知ることができよう。

マッキンゼーの人々の仕事に対する思考やテクニックが、見事に描き出された1冊である。一読すれば、ビジネスにおける強靭な精神と、すぐれた知性の源泉に触れた気になるはずだ。




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著者 :イーサン・M. ラジエル

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●本書を引用した記事
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マッキンゼーの思考技術3:MECEを守ろうとすると論理が強くなる




マッキンゼーの問題解決の技術の柱は3つ

 ・事実に基づく
 ・MECEで構造化する
 ・仮説主導で

です。前回、「事実〜」についてご紹介したので、今回は「MECE」についてご紹介します。

■MECE

過去記事でも時々使っていますが、私は情報を集めたり、分析するときに「MECEか?」という判断基準をよく使います。

これはこの本で勉強しました。出版年が2001年なのでかなり古い本ではありますが、私にはバイブル的な本です。

 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術

その後、マッキンゼー関連の本を幾つか読んだときに、必ず出てくるのが、このMECEという単語。で、だんだん自分でも使うようになって、いまでは他の人にも、「それはMECEじゃない」と文句をいうように…。

■MECEとは

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●問題解決に不可欠な条件 ― MEEE を貫徹させる
ビジネス上の問題解決 ―― ひいては、他のどんなことでも ―― にあたって、考えを構造化するためには、混乱や重複を避けながら、しかも一分の洩れもあってはならない。

MECE は「ミーシー」と発音する。「互いに重ならず、すべてを網羅する「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字で、マッキンゼーにおいては問題解決に不可欠な条件である。

マッキンゼーに入社した瞬間から、すべてのアソシエートの頭に MECE が叩き込まれる。

マッキンゼー人の手になるすべての文書(社内メモの類も含めて)、すべてのプレゼンテーション、すべての電子メールやボイスメールが、 MECE でなければならない。

マッキンゼー卒業生に、マッキンゼーの問題解決法について最もよく憶えていることは?と聞いてみればわかる。「MECE 、 MECE 、 MECE 」という答えが返ってくるはずだ。

MECE であれば、最大限の明断さ―すなわち、最小限の混乱―と、最大限の完壁さで思考を構造化できる。

それは問題解決の一番上の大項目から始まる。

つまり、解決しようとしている問題を構成する個別の問題点のリストである。

問題点がでそろったら、それをよく見る。ひとつひとつの項目が独立していて他とはっきり異なるか?

もしそうなら、その問題点リストは「互いに重ならない」。

問題の側面のすべてがその項目のどれかひとつの、しかもたったひとつの中に入るか?
すなわち、すべてのことを考え尽くしたか?

もしそうなら、そこに挙げられている問題点は「すべてを網羅して」いる。

かの有名な大企業、架空ナントカ製造株式会社の依頼で研究をしているとしよう。とりあげている問題は「製品ナントカをもっと売らなくてはならない」である。
チームでは、ナントカ売上げ増の方法として次のようなリストをつくったとする。

 ・ナントカの小売販売店向け販売法を変える。
 ・ナントカの消費者向けマーケティング法を改善する。
 ・ナントカの単価を下げる。

かなり大まかなリストに思われるかもしれないが、それはかまわない。もうひとつ下の、もう少し詳しいレべルについては、次の項でとりあげる。肝心なことは、このリストが MECE であるということだ。

これにもう一項目、たとえば、「ナントカの生産工程を改良する」を加えるとしよう。

すでにある他の三項目とどう適合するだろうか?

これはたしかに重要な問題点だが、すでにある三つと並ぶ第四の項目にはならない。

これは、「流通システムを強化する」や、「在庫管理を改良する」などとともに、「ナントカの単価を下げる」のなかに入れるべきものである。

なぜか?、このすべてが、ナントカの単価を下げるための方法だからだ。

このどれでも(あるいはすべてを)他の三項目と並べてリストに入れたら、それは重複になる。

そのリストは「互いに重ならず」ではなくなってしまう。重複はそれを書いている人の思考の不明瞭さを表わし、読み手を混乱させる。

すべての項目が独立して他とはっきり異なる(すなわち、互いに重ならない)リストができたら、今度は、問題を構成する具体的な問題点をすペて含んでいるか(すなわち、すべてを網羅しているか)どうかをチェックする。

もういちど、「ナントカの生産工程を改良する」を考えてみよう。

「ナントカの単価を下げる」の項目のなかに入れたのだった。ここでチームの一人がこう言いだす。

 「生産工程をとおしてナントカの品質向上をはかることも考えるべきではないだろうか?」

そのとおりだ。となれば、改めて生産工程の改良を一個の項目とすべきなのか?

そうではない。しかし、「単価を下げる」の項目のなかの小項目として「生産工程を改良して単価を下げる」を、「……マーケティング法を改善する」の項目の中の小項目として「生産工程を改良してナントカの品質向上をはかる」を、それぞれ加えなければならない。こうして改良されたリストは、次のようになる。


 ・ナントカの小売販売店向け販売法を変える。
 ・ナントカの消費者向けマーケティング法を改善する。
  ―生産工程を改良してナントカの品質向上をはかる。
 ・ナントカの単価を下げる。
  ―生産工程を改良して単価を下げる。

それでは、チームのだれかが、このリストの大項目のどれにも当てはまらない面白いアイデアをだしたとする。

その場合、どうすればいいのか?そのアイデアを無視することもできるが、それは架空ナントカ社にとって損失だ。

そのアイデアを独立した項目としてリストに加えると、項目が多くなりすぎる。

トップにくる大項目が、2つより少なくても、5つより多くても、優れたマッキンゼー・リストにならない(3がべストであることは言うまでもない)

このジレンマにも解決法がある。「その他」という魔法のカテゴリーである。

すばらしいアイデアが二、三あるのだが、どの大項目に人れたらいいのかわからないというときには、いつでもこの「その他」がある。

しかし、注意しなければならないことがひとつ。

大項目としては、「その他」を使わないこと。

これはどうも場違いに見える。小項目の群れのなかに混じっているのは問題ないのだが、一大プレゼンテーションでの一枚目のスライドに「その他」があると、これは奇異に見える。

だから、すばらしいアイデアがでたら、それをなんとか大項目のなかに組み込めるように、もうちよっと努力してみる。

たいていなんとかなるはずだ。どうしてもうまくいかなかったら、「その他」を使う。

そうすれば、なんとか MECE でいられる。

イーサン・M. ラジエル(著) 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術
―――――――――――――――――――――★


過去記事

 箇条書きに注意

でも書きましたが、箇条書きというのはすごくロジカルに見えて、実は全くロジカルではない手法です。

本書のように徹底的に考えられた箇条書きなら良いですが、普通の箇条書きは、単に思いついたものを思いつた順に脈絡なく書いてあるだけ。それは論理とは言わない。

MECEが保証されて初めて箇条書きが有効になるんだと思ってます。

■MECEにすることで、抜け漏れがなくなる

MECEを意識すると、論理的にかっちりとした構造を作ることができるようになります。

たとえば、メールを分類するときに

 ・仕事
 ・プロジェクトA
 ・家族旅行
 ・趣味

っていう分類を考えたとすれば、これはMECEではありませんね。

つまり、「仕事」というトップレベルを考えると、仕事以外のレベルを作らないとMECEにはできません。仕事以外=プライベートならMECEにできます。

プライベートにはなにがあるかというと、自分のこと、家族のことが思いつきますよね。
プライベートをMECEに分解するには、

 ・自分
 ・家族

この2つに別れるか?
と考えると、友人、知人、近所などいろいろ思いつきます。

こうやって MECE にすることを考えると、考えが漏れているところがはっきりするんですよ。

だれかに自分の考えを説明する場合に、「××は考えましたが、対象ではありません」といえば理解してもらえるでしょうけど、質問で「××については?」と聞かれて検討されていなければ、多分プレゼンの説得力についてはマイナスポイントがつくでしょう。






■参考図書 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術

本書は、2つの貴重な意味を持っている。ひとつは、これまで謎に包まれていた世界的なコンサルティング会社マッキンゼーの仕事や組織、経営について、その一端を明らかにしていること。つまり、マッキンゼーそのものがテーマになった本である点だ。もうひとつは、彼らがビジネス経営問題をどのように解決するかを書いていること。つまり、世界中から集められた、きわめて優秀な「仕事師」たちの思考やテクニックを教えてくれている点だ。著者はマッキンゼーで3年間働いた元社員。そこでの経験と、同社を退職した人々へのインタビューから本書を書き起こしている。

本書の主要部分は、ビジネスの問題をどう考え、解決に向けてどんな方法をとり、そして解決策をどう売り込むかという、実際に彼らがコンサルティングを進める手順に沿って展開されている。いわゆる「マッキンゼー式」の真髄は、その最初の段階の「事実に基づき」「厳密に構造化され」「仮説主導である」という3つの柱で示されている。なかでも、問題を構造的に把握して3つの項目に集約させるテクニックや、まず仮説を立て、証明や反証を重ねながら正答に導くプロセスは、ビジネス思考の究極のモデルになるものだろう。

一方で、チームの編成、リサーチ、ブレーンストーミングの各方法や、「売り込みをしないで売り込む方法」など、すぐに応用できる実践的なテクニックも数多く紹介されている。多忙を極めるCEOに30秒でプレゼンする「エレベーター・テスト」や、毎日1つチャートを作るといったユニークなトレーニングもある。また、彼らのストレス対処法やキャリアアップの方法などもスケッチされていて、彼らの「生身」の側面をうかがい知ることができよう。

マッキンゼーの人々の仕事に対する思考やテクニックが、見事に描き出された1冊である。一読すれば、ビジネスにおける強靭な精神と、すぐれた知性の源泉に触れた気になるはずだ。




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マッキンゼー式 世界最強の仕事術
著者 :イーサン・M. ラジエル

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 かっこいいグラフを作れるテンプレートChartChooser
 「わかりません」にはしつこく食らいつく
 目標は達成可能でなければならない
 すり減らない働き方2
 マッキンゼーの思考技術2:問題解決は事実から出発する
 自分より職位が上の人を驚かせてはいけない
 初めての問題は存在しないが同じ問題も存在しない
 キー・ドライバーに集中する

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マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック

マッキンゼー流図解の技術

人を助けるとはどういうことか本当の「協力関係」をつくる7つの原則

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ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル(Bestsolution)

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マッキンゼーの思考技術2:問題解決は事実から出発する




前回からマッキンゼー・アンド・カンパニーの問題解決の技術の基本についてご紹介しています。

前回の記事で、マッキンゼーの問題解決法の柱には

 ・事実に基づく
 ・MECEで構造化する
 ・仮説主導で

の3つがある、と書きました。

その第1、「事実に基づく」について、『マッキンゼー式 世界最強の仕事術』から引用します。

■事実から出発する

★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●問題解決は「事実」から出発する
   事実は、解決に到達するための道を敷き、それを支える柱を築くためのレンガである。事実を恐れてはならない。

マッキンゼーの間題解決は「事実」から始まる。

エンゲージメントの初日、担当チームの全メンバーが、山のような新聞や雑誌の記事、内部リサーチ文書を徹底的に読み込んで、担当する問題をイメージできるだけの事実をかき集めて、最初のチーム会議にそなえる。

そして、チームとして、その間題についての「当初仮説」を立てるやいなや、その仮説を(適切な分析を経て)立証するために、あるいは、その仮説が誤りであることを証明するために、おおわらわで必要な事実を集めにかかる。
 :
 :(中略)
 :
事実の力にもかかわらず(あるいは、それだからこそ、だろうか)、ビジネス人のなかには事実を恐れる人が多い。おそらく、事実を凝視すると(あるいは上のだれかに凝視されると)、そこに見たくないものが見えてくるのが怖いのだろう。

見ないでいれば、嫌な事実は消えるとでも思っているのかもしれない。しかし、消えないのだ

事実から目をそらすことは、失敗へのたしかな処方菱になる。

真実は最後には必ず露見するものだ。事実を怖がってはならない。事実を追い求め、使いこなす。恐れてはならない。

イーサン・M. ラジエル(著) 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術
―――――――――――――――――――――★


本書では事実を調べることの理由として、

1.事実は直感の欠如を補完してくれる
2.事実は信頼性の溝に橋をかけてくれる

と述べています。

表現としてはいかにもコンサルタントらしい比喩表現ですが、これは全くの真実。私では異論の余地も補足の余地もありません。

■想像と事実を履き違えてはいけない

ただし、私の環境だけなのかもしれませんが、事実と想像がごちゃごちゃになっている人がいます。ここは厳密に区別しないといけない。

たとえば、5人に聞いたら「この仕事は手間がかかって大変だ」と言ったとします。

だから、5人が言った事実を持って「この仕事は大変なので改善しなければいけない」という結論に至ってはいけません。

「5人が言った」という事実はたしかに事実ですが、「大変」かどうかは事実ではありません。単なる所感です。

さらに、これを「みんなが大変だと言っている」と変換してくれる人もいます。これも事実ではありません。

■仮説を事実で否定する

本書によると、マッキンゼーでは、この「当初仮説」は「否定すべきもの」と捉えられているようです。つまり、当初仮説は当然間違っている。コンサルタントはその会社のことを詳しく知らないんだから、間違っていて当然。当初仮説に事実を加えて、証明できるものだけを残し、否定されたところは、それが肯定できる仮説を立てる、と書かれています。

これは非常に効率的なやり方で、相手(クライアント)の全てを知る必要がなくて、ある評価したい面だけを調査する事ができればコンサルティングは可能なわけです。
※まあ、コンサルタントの言うことが、うまくいかない理由もここにあるのですがね。
※所詮、ある一面だけを切り取って、「こうあるべき」なんていうから、いざ実行しようとするとコンサルタントから見えなかった部分が足を引っ張って結局うまくいかない

マンガネタで恐縮ですが、「ハンター×ハンター」というマンガで、クラピカがノストラードファミリーの警護をするときに、「想定される襲撃者は?」と聞くシーンンがありましたが、相手がゲリラなら対ゲリラの用意を、対抗ファミリーであれば、その狙いそうなところを守れば効率は良いわけです。

もちろん、警備隊長のダルツォルネの言うように「どんな相手に対してもボスを守るんだから、相手を絞り込んで失敗をするな」というのも必要ですが。仕事をする上では、完璧を目指すよりも、効率を目指したほうがいいですから。

■マッキンゼーの仮説・事実

つまるところ、問題からまず「当初仮説」を立てること。それを事実によって補正すること

これがマッキンゼーの仕事術、第1の方針です。

当初仮説については、次々回にご紹介します。
次回は MECE について。





■参考図書 『マッキンゼー式 世界最強の仕事術

本書は、2つの貴重な意味を持っている。ひとつは、これまで謎に包まれていた世界的なコンサルティング会社マッキンゼーの仕事や組織、経営について、その一端を明らかにしていること。つまり、マッキンゼーそのものがテーマになった本である点だ。もうひとつは、彼らがビジネス経営問題をどのように解決するかを書いていること。つまり、世界中から集められた、きわめて優秀な「仕事師」たちの思考やテクニックを教えてくれている点だ。著者はマッキンゼーで3年間働いた元社員。そこでの経験と、同社を退職した人々へのインタビューから本書を書き起こしている。

本書の主要部分は、ビジネスの問題をどう考え、解決に向けてどんな方法をとり、そして解決策をどう売り込むかという、実際に彼らがコンサルティングを進める手順に沿って展開されている。いわゆる「マッキンゼー式」の真髄は、その最初の段階の「事実に基づき」「厳密に構造化され」「仮説主導である」という3つの柱で示されている。なかでも、問題を構造的に把握して3つの項目に集約させるテクニックや、まず仮説を立て、証明や反証を重ねながら正答に導くプロセスは、ビジネス思考の究極のモデルになるものだろう。

一方で、チームの編成、リサーチ、ブレーンストーミングの各方法や、「売り込みをしないで売り込む方法」など、すぐに応用できる実践的なテクニックも数多く紹介されている。多忙を極めるCEOに30秒でプレゼンする「エレベーター・テスト」や、毎日1つチャートを作るといったユニークなトレーニングもある。また、彼らのストレス対処法やキャリアアップの方法などもスケッチされていて、彼らの「生身」の側面をうかがい知ることができよう。

マッキンゼーの人々の仕事に対する思考やテクニックが、見事に描き出された1冊である。一読すれば、ビジネスにおける強靭な精神と、すぐれた知性の源泉に触れた気になるはずだ。




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著者 :イーサン・M. ラジエル

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 初めての問題は存在しないが同じ問題も存在しない
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マッキンゼーの思考技術1:マッキンゼーの問題解決法の3つの柱



この後、4回に渡って『マッキンゼー世界最強の仕事術』という本から、マッキンゼーの問題解決法の基本的な柱についてご紹介します。

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新しい発想は、古い発想を新しい袋で包むこと




新約聖書に「新しい酒は新しい革袋に盛れ」という言葉があるそうです。

 故事ことわざ辞典

意味は、

▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▼
新しい酒は新しい革袋に盛れとは、新しい思想や内容を表現するには、それに応じた新しい形式が必要だということ。
▲━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲

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ガーデン・パス・ストーリーの落とし穴に注意




「ガーデン・パス・ストーリー」という言葉があるそうです。
ネットでググってもほとんどヒットしないので、あまり一般的な用語ではないかもしれません。

元ネタはこの本から。

★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●日常に起こり得る「逸脱した習慣」の罠
私が妻のへレンの行動を観察したことについての、ある単純な事例を紹介することで、このチャプターの結びとしたい。この話から[見えない問題を見抜く力」を解き放っことで、私が意図することを詳しく説明したいと思う。

へレン「玄関のドアの鍵がかからないわよ。ドアの口ックが壊れているのかしら?」
私「ええと、私の鍵は大丈夫だ。ドアの口ックは問題ない。君の鍵がおかしいに違いない」

ある日、へレンの鍵が壊れていたようで、私は金物店へ行き、へレンのために新しい鍵を作ってもらった。家に戻り、その新しい鍵を試してみた。しかし、鍵が利かない。

おそらく、その店の鍵を複製する機械に問題があったのだ。

ゲーリーは 2 軒目のお店に行き、もう 1 つ別の鍵を作ってもらった。しかしその鍵でもまだ、ドアを □ックすることができなかったのである。

私は鍵穴を注意深く観察してみた。

そして、自分の鍵を取り出して鍵穴に差し込んでみた。するとドアのロックに引っかかってしまい引き抜くのが大変だったのである。

そこで私は鍵穴に潤滑油を吹きかけた。

すると、 3 つすべての鍵でドアを開けることができるようになった。

そして、私は鍵の問題を解決した。へレンも何の問題もなく家の中に入ることができるようになった。
 :
 :(中略)
 :
これは「見えない問題を見抜く力」についての話である。

「鍵が悪い」という思い込みが、「ドアのロックが悪い」という考えに変わったのである。

私たちは、そうした思い込みにレッテルを貼ってしまうものだ。

つまり、それは「ガーデン・パス・ストーリー」である。

ガーデン・パス・ストーリーとは、人がどうやって誤った自分の概念にとらわれ、たとえその概念に反対するような事実が生じてきたとしても、自分の考えを堅持することである。

つまり、私は「問題は鍵にある」という誤ったガーデン・パスの中に迷い込んだことになる。

あとのほうのストーリーで、私は 1 軒目の金物屋で作られた合鍵を無視し、 2 軒目の金物屋に行くことになった。

ガーデン・パス・ストーリーについて、「もし人がガーデン・パスに迷い込むとしたら、彼らがどのようにその中にまぎれ込んでしまうのか」「どうやってそこから抜け出せるのか」ということを、私たちは知りたいと思うものである。

2 軒目の合鍵が駄目だったからといって、果たして、私は 3 軒目の金物店に行くところだったのだろうか?

私は、その可能性がなきにしもあらずだったことを認めなくてはいけない。

さらに深く調べてみると、なぜ私が 1 回目の段階でガーデン・パスに迷い込んだのか不思議に思ったかもしれない。

最初の合鍵でドアが開かなかったとき、私は自分の鍵には問題ないと思っていた。しかし、私の鍵が突然に鍵穴に入らなくなったのではなく、徐々にそうなっていったのである。

だから、この出来事は「逸脱した習慣化」についての話である。

「逸脱した習慣化」とは、例外的な出来事が繰り返し起こることで慣れ親しんでしまい、それ以上の注意を払うことがなくなってしまうということである

コロンビア大学社会学教授のアイアン・ウォーガンは、「逸脱したことの習慣化」による NAsA の宇宙船チャレンジャー号の悲劇を本にしている。

 発射時にリングが焦げており、整備の技術者たちは、本来そのような問題が起こるはずもないのに起きていたので心配していた。ところが、次から次と作業上の指令が出てきたので、技術者たちはその焦げたリングに注意を払わなくなってしまった

ゲイリー・クライン(著) 『「洞察力」があらゆる問題を解決する
―――――――――――――――――――――★


■鍵は問題じゃない

ちょっとここだけ読むとわかりにくいかもしれませんが、前半に書かれているストーリーを簡単にまとめると、

 2つあるうちの一つの鍵が使えなくなった
 鍵屋で新しい鍵を作ってもらったがダメだったので、別の鍵を別の鍵屋で作ってもらった
 それでもダメなので、問題なかった方で確認したらこれもだめになっていた
 鍵穴に潤滑油を吹きかけたら全部使えるようになった

 最初から潤滑油を吹きかけるだけで良かったじゃん (ちゃんちゃん)。

ということです。

ここのなにが問題かというと、最初に「鍵のほうが悪い」と思い込んでしまったために、ドアのロック(鍵の回される側)に問題がある可能性に気が付かなかったことです。

2つセットになって初めて機能するものが正常に機能しないからと言って、いずれか一方が悪いと思いこんでしまうと、問題を解決するまでに大きな回り道をすることになります。

半日か1日、鍵屋巡りで潰すだけなら、まあ諦めも付きますが、本書では山火事で炎に取り囲まれてしまった消防士や低空で飛来するミサイルを発見した将官の話も出てきます。
もし、そっちだったら数分後には命をなくしていたかも、という話です。

■ガーデン・パス・ストーリー

で本題の「ガーデン・パス・ストーリー」。これは、本書でも詳しく説明はありませんし、ネットで調べても詳しくは説明をしているサイトがないのですが、私の解釈では

 誤った自分の仮説にとらわれ、たとえその仮説に反対するような事実が生じたとしても、自分の考えを堅持すること

ではないかと。1度目の鍵屋の鍵がダメだったときに気がつくべきだったよね、と。

実際の仕事の場面でも思い当たることは多々ありますね。

岡目八目でみると、「なんでそんなことに気が付かない?」と思えるようなことを本人はいたって真面目にやっていたり。

後半のNASAの話も仕事をしていると、ときどき気になったりするものです。多くの場合は、NASAの技術者のように流れに身を任せてしまうのですが、普通の仕事では爆発まではしないので、それが痛い経験にすらならないという…。

ちなみに本書における鍵の話の締めくくりがこちら。

★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

私の場合、鍵が鍵穴に入りにくくなってくると、ガチャガチャと鍵を強く捻っていた。

そして、そうした行動に慣れていき、鍵を強く捻ってドアを開けることが習慣となった。

いつの間にか、「そうすることがおかしい」と感じる意識が、まったく働かなくなってしまったのである。

私がこの考えをへレンに話すと、彼女は違う理解をしていた。

彼女が言うには、この出来事は私たち 2 人の関係性を示していると言うのである。

つまり、私は彼女が望むほど注意深く彼女の発言を聴いていないということであった。

彼女は、こうなる前からドアのロックの問題のことを私に指摘していたという。

私はそれを無視しているだけでなく、彼女が私にその問題に注意を払うようにさせるまで、私は何も思い出していないと言うのである(「人の話に熱心に耳を傾けよ」とは、自分への警告だった)。

私はへレンが、「ドアのロックに問題がある言ったことを思い出すことができず、そのことを完全に忘れていた。これは、名誉ある亭主のストーリーではない。むしろ、それはおバカな亭主のストーリーである。

ゲイリー・クライン(著) 『「洞察力」があらゆる問題を解決する
―――――――――――――――――――――★


もし一度やってみてうまく行かなかったら、同じことを繰り返してやってみるのではなく、原点に立ち返って、他の可能性はないかを考えてみるといいかもしれません。

私は何か決断したり行動を起こす前には、「選択肢を複数出して、決断するのではなく選択する」ようにしています。いつもできているわけではありませんので、「なるべく」ですが。




■参考図書 『「洞察力」があらゆる問題を解決する

ホワイトハウス、米空軍省で採用された問題解決法が日本初上陸!

著者ゲイリー・クラインは、実験現場で研究される、これまでのスタイルを打ち破り、全米で初めて「現場主義的意思決定(NDM)理論」を生み出した認知心理学者である。

この本は、NDM理論を応用し、普段、人の目には見えない物事の本質を見抜く、いわゆる「見えない問題を見抜く力」について説かれている。

個人にしろ、組織にしろ、問題を解決するためには、「いかにミスをなくすか」というウエイトに重きを置き、パフォーマンス向上を図っている。
しかし著者は、それに相対する、「見えない問題を見抜く力」を高めるほうが、問題発見・問題解決に効果があるという。
そんな「見えない問題を見抜く力」の答えを、実験室ではなく出来事の起こった現場に求め、論理的や分析的な方法よりも重要な問題解決法を提示する。

本書には、現場からのさまざまな出来事の事例が掲載されている。

など、ほかにも多くの事例を検証しながら、「見えない問題を見抜く力」の正体に迫っていく。

本書に書かれているゲイリー・クラインの理論は、個人や組織の問題解決法として、技能・性能・生産性のパフォーマンスを向上させる大いなるヒントとなるであろう。




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「洞察力」があらゆる問題を解決する
著者 :ゲイリー・クライン
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posted by 管理人 at 11:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 思考技術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

一貫性を持たないように意識する




過去記事で、「一貫性の原理」や「認知的不協和」を利用した説得術などをご紹介しましたが、これはわかっていても引っかかる場合があります。

人と何かを議論しているときに、「ちょっと前に××って言ったよな〜」と瞬間的に頭のなかで考えてしまって、自分のポジショニングや次の発言を決めている場合があるんですね。

■自分の主張を変えてもいい

★P208〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●ときには自分の持論や主張を変える勇気も必要
そのほか、自分の意見や態度をコロコロと変えるということは信頼できない人の条件としてよく指摘されます。

私たちは他人から信頼されるようないい人でありたいと思うために、自分の発言と行動を一致させようとします。

このような心理を心理学用語では「一貫性の原理」というのですが、自分の発言と行動が一致しない場合、人は不快な感情(認知的不協和)を覚えます。

ですから、人はこのような不快な心情になることを避けるために、無理やりに発言と行動を一致させようとする場合があります。

例えば、日ごろから周りの部下に対して「経費削減」を徹底させている上司は、事情が変わって経費を使いたいと思ったときも、部下に「経費削減」を徹底させてきた手前、本当は使ってもいい経費だとしても、なかなか使えないという心理になるわけです。

しかし、そのような「一貫性の原理」にもとづいた心理行動が強すぎる人は、実は「編されやすい」ということがいえるのです。

例えば、悪質な宗教団体などは、このような「一貫性の原理」を利用して「自分で一度決めたことを途中で変えることは、心や意志が弱い証拠だ」と非難して脅しをかけて、「最後まで信念を貫いて一緒に頑張ろう」と励まして、あなたを編そうとするわけです。

確かに自分の意見がコロコロ変わる人は信用がないかもしれません。しかし、明確な理由があって自分の考えが変わったり、途中で方針を変えるような場合には、そのことをしっかりと周りの人たちに説明して理解を得る努カをすることが大切です。

「いい人だと思われたい」「みんなに尊敬されたい」という気持ちが強すぎると、このような自分の主張をしっかり伝えることができずに、「一貫性の原理」を利用されて操られたり、編されたりする場合があるので注意しましよう。

マルコ社(編集)(著) 『他人を支配する黒すぎる心理術
―――――――――――――――――――――★


その場その場の都合によって自分の主張を変えるというのは、あまりいいものではないかもしれません。
それは本書の言うとおり、社会的に信頼を失う危険があるというのを、たぶん、子供の頃から学習しているからなのかも。

だからこそ、「一貫性を持たない」と意識すると、ちょうどバランスが取れるくらいになるかと考えてます。

今はそう考えてる

つまるところ、「今、こう言うと過去に行ったことと矛盾する」と思っても、今は○○だと考えているのであれば、それをそのまま言ってしまえばいい、ということです。もちろん、その発言が何かの目的にかなうのであれば、という条件付きですが。

ある目的を達成するために、過去に発言したことと矛盾していることを言う必要があると考えたのであれば、過去の発言は忘れたふりをして、「○○だ」と発言してしまえばいいです。
それで、「過去の発言とは違う」と突っ込まれても、「それはそれ、これはこれ」が大人の議論の仕方というもの。
※「大人の議論
※これは以前見たアニメ(「ふしぎの海のナディア 」)でのセリフで、とっても印象に残ってます。

本書では「きちんと理由を説明できる」と書かれてますが、個人的にはその説明自体も不要で、「今は、そう考えるんだから、そう言ってます」でもいいと思います。

もちろん、追求する側になったときには、その程度では怯みませんが。

■一貫性の原理には引っかかる

「一貫性の原理」というのは、人間なら誰しも持っているようです。だからこそ、これを利用した説得術が多用されるわけです。

そういう無意識のバイアスがあることを理解すれば、そのバイアスを取り除くためには、その逆をやるとちょうどバランスが取れると考えてます。

ただし、相手の信頼関係を保ちたいときには、多少バイアスがかかっていたくらいがちょうどいいので、必要最小限に抑えるほうがいいです。したがって、過去の自分の発言を否定することによって、自分の得たい結果が得られると考えられる場合に限って、「あっさり一貫性を無視する」ということをやったほうがいいです。

相手と一過性のお付き合いなら信頼関係なんて気にする必要はありません。
「さっきはこう言った」と突っ込まれても、「さっきはさっき、今は今」とシレッと言っちゃいましょう。




■参考図書 『他人を支配する黒すぎる心理術

「人を操る」とは「良好な人間関係を築くこと」につながるのです。

人間関係の悩みを解決して、円滑なコミュニケーションを行なう方法のひとつに、心理学をベースにしたコミュニケーション法が存在します。
心理学的見地から、相手の表情やしぐさ、行動を分析して心理状態を把握し、コミュニケーションに役立てる心理術のなかでも、相手を「支配する」(=操る)心理術にフォーカスしたのが本書です。
コミュニケーションとは言い換えれば「操り合い」のこと。心理学をベースにした心理誘導に役に立つ考え方や具体的なテクニックを学ぶことで、コミュニケーションスキルは大きく向上することでしょう。そう、「人を操る」とは「相手との良好な人間関係を築くこと」につながるのです。
本書では人を操るための心理学や心理テクニックを紹介するために、「心理学」「心理術」の専門家への取材を敢行。心理学の基本や相手の心を透視(見抜く)技術について紹介するとともに、メインコンテンツでは相手の行動や心理を自分の意図した方向に誘導する心理術を紹介しています。




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他人を支配する黒すぎる心理術
著者 :マルコ社(編集)

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 名前を呼ぶと親密度が増す
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 サインに気をつける(話半分、観察半分)
 接種理論〜論理構造を図示してアンチテーゼを出す
 接種理論〜評論家タイプの同僚を利用する
 誤前提暗示を活用する
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 一貫性を持たないように意識する
 他者と違う行動を恐れてはいけないが慎重にやりなさい
 「姿勢反響」で上司から信頼を得る
 行動原理を知ると人の行動が読める
 ボディランゲージを聞く
 援助はうけない
 サインに気をつける
 人間がつくウソの種類
 他人を支配する黒すぎる心理術
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思い通りに人をあやつる101の心理テクニック(フォレスト2545新書)

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他人が必ず、あなたに従う黒すぎる心理術

伝え方が9割





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