効率は上げようとしてはいけない



「効率を上げる」。このブログの基本的なテーマなのですが、実は個々の作業の効率を上げるのは簡単ではありません。

過去記事でも触れてますが、カイゼンの基本的な考え方は、

 ・やめる
 ・へらす
 ・かえる

の3パターンで、優先順位もこの順番にしないといけません。つまり、「やめる」が最初に来るべきものなのです。作業の効率を上げるというのは、「かえる」であってこれは一番難しいからです。




■上司から見た業務量、担当から見た業務量


たいていの仕事は上司から指示されてやることになります。上司が大量の仕事を振ってくると、つぎつぎとやることが増えて残業時間に食い込むことになります。

部下としては生活給の一部として残業はある程度やりたいと思っている部分もありますし、上司から言われて「わかりました」と言った以上は期限に間に合わなければ責任を問われるのでなんとかやろうとします。

以前、ニュースで業務量意識調査みたいなのがありまして(ソース失念)

 上司は部下の仕事量を少ないとは思っていないが多すぎるとも思っていない
 部下は上司から言われる仕事量が多すぎて業務時間内に終わらないと思っている

という調査結果があったことが記憶にあります。
「上司の業務量感と部下の業務量感には結構な開きがある」と思ったところが印象的だったので…

上司から見ると「不効率な作業をしているから仕事がこなせない」みたいに感じていて、部下は「残業時間を適正にするために効率化したい」と両方とも答えが「効率化」に行っていることもちょっと「面白い」と思ったりしました。




■効率を上げるには、まずやめること


そこで、「仕事を効率化するには…」という方法論になると、結構上司と部下では実現方法が変わります。

部下からすれば、会社や上司からの指示に、「忙しい」「できない」もしくは「無駄」などといって拒否することは難しいでしょうし、会社や上司からすれば、個々の社員の仕事量を、会社の全体最適で見ることは難しく、自分が見える範囲で仕事が回っていれば、その中身はくわしく見ないことがほとんどでしょう。

こんな中で「効率を上げる」「生産性を上げる」と言い出すと、何か新しい工夫をしたり、考え出したりしなければならない感じがしてしまいます。すでに忙しくて目いっぱいと思っている人たちに、新しいことを求めても「また面倒なことを…」と思ってしまうのがオチですね。

なので、部下に「効率をあげよう」と声をかける時には、

 「不効率な作業をやめていこう」

という言い方をするようにしています。これであれば、何かの工夫をする必要はなく、まずやめられることを抽出するだけです。

まあ、実際、それをやめること自体も難しいことが少なくないのですが。

■効率の定義は


効率の定義は 成果量 ÷ 投下工数です。

つまり、投下工数に見合わない成果しか出ないものは「効率が悪い」というわけですね。

たとえば、左の棚においてあるものを右の棚に移し替える作業は、なんら成果を生みません。ムダです

「そんなことするやついないよ」と思うでしょ?

でも結構やってますよ。整理整頓の名を借りて。

 部下:資料を探すのに手間取りました
 上司:そりゃ、おまえがちゃんと整理してなかったからだろう!
    次のために、今からでも整理し直せ!

なんて会話、記憶にありませんか?

これなんの成果もなく、右から左に移し替えているだけじゃないです?

■効率を上げるのではなく、下げる要因を取り除く


つまり、過去記事で紹介してきたヒントでもそうなのですが、効率を改善するヒントよりは、効率を下げる原因を取り除くヒントのほうが多かったと思います。

ようは、

 効率を上げるのではなく効率を下げている原因を取り除く

ようにすれば、自動的に効率は上がっていくんです。

やり方を工夫する必要はありません。やめればいいだけなので。

たとえば、

 効率が 3/2 の作業が3つ
     1/5 の作業が2つ

あるとすると、全体の効率は 11/16 です。

1/5 自体を「かえる」ようにするには、1/5 が 1/4 にするだけでもけっこう大変なんですよ。そのくせ、全体では 11/14 にしかならない。

一方で 1/5 の作業を1つやめるだけで、10/11 になります。
小数に直すと 0.69 → 0.91 まで改善するのですよ。ほら、劇的に改善したでしょ?

……っていうことをちゃんと上司と話し合わないと、いけないのですが、これがなかなか・・・・
※って情けない終わり方で申し訳ない…



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