説得には「大説得」よりも「少説得」のほうが効く



上司はもちろんですが、他人を説得して動かしていくためには、「1回で了解してもらおう」と思わないのが大きなコツの一つです。

なにかのプロジェクトを発案して、進めようとする人でよく失敗する人は、「会議で決める」と考えてます。うまく自分のいい結論を会議で出している人は、「会議で形式を整える」と考えているように思います。




■情報を小出しにし続ける


どういうことかというと、

 「いまこんなことを考えてます。ご報告まで」
 「先日報告した件ですが、こんな状況です」
 「この前の件ですが、こんなものが見つかりました」
 「以前からご報告している件ですが、ご協力いただけませんか」

みたいに、徐々に、何回にも渡って繰り返すと、相手は、「以前からスタートしている」「自分も時々考えていた」みたいに、勝手に勘違いしてくれます。

要は、突然聞いたことではないので、ある程度全体像や考え方がわかっている状態が作れます。

いきなり、

 社内の風土改革をするべきです

と持ってこられれば、「何でそんなのが必要なわけ?」と切り返しますが、前々から

 「ちょっと、こういうところはウチの悪いところですよね〜」
 「異業種交流会で聞いたんですけど、他社の組織風土ってこんなものなんですって…」

などと何回も聞いていれば、「自分もそういうのって必要かもしれないと考えていたけど…」みたいな発言になってくれるわけです。

で、関係者が集まって議論するときには、すでに関係者の意向はだいたい決まっているわけ。

当然、会議資料に説得力がなくてはいけませんが、会議資料がどれほど論理的にしっかりしていようと、事前に根回しをしていないと、反論されやすいわけです。

その根回しも、1回責任者のところに話に行っただけではだめで、上記のように、こまめに情報に触れさせることで、相手の理解も進みますし、心理的に近親効果もだせます。




■「大説得」よりも「少説得」


このやり方を本書『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典』では100回の「少説得」と書いています。

ちょっと引用。

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●1 回の「大説得」よりも、 100回の「小説得」で心を動かす
「雨だれ石をもうがつ」という言葉があるように、一滴のしずくの力などたかが知れているが、それを何度も繰り返すと、硬い石でさえも穴が開いてしまう。

これは私たちの心理にも当てはまるもので、どんなに頑固な上司でも、何度となく説得をされたら、いつかは心を開いてしまうものである。

1 回の説得にすべてをかけようとすると、失敗したときの心理的ダメージは大きい。「俺の意見は正しいのに」という思い込みが強くなり、上司を嫌いになってしまうこともある。

そうならないためには、上司への訴えを気軽に考え、小さな説得を何度も行っ作戦に変更してみる。「説得は単純に繰り返すだけでも、その効果はどんどふくん膨れ上がっていく」という説を発表しているのが、オハイオ州立大学のリー・マックローとトーマス・オスト口ム教授である。

彼らはアフターシェーブ口ーションの広告を作り、それを 1 回だけ見せるグループと、 2 回、 3 回、 4 回、 5 回と見せるグループを設け、その広告に対する態度を測定してみた。

すると、同じ広告であるにもかかわらず、繰り返しその広告を見せられていると、態度がポジティブになっていくことが確認されたのである。

何度もアピールすると、それだけで、相手の記憶の中に刷り込まれていく影響力は大きくなっていく

どんなに論点の弱い話でも、繰り返し聞かせるだけで説得効米は高まるのである。ちなみに、小さな説得を繰り返す場合には、それを裏づける根拠をなるべく小出しにすることも忘れてはならない。

内藤誼人(著) 『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典
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なるほど、CMも同じで繰り返し見せることに意味があるのですね。

■何かをやりたいと思ったら、「相談する」


多少でも社内事情にくわしければ、何かをやるときに「こうすればできる」「この人とこの人が必要」などということはある程度わかります。

頭のなかでそれなりに構想があるからこそ「やろう」と思えるわけですね。

ただ、それを人に話してしまうと、経験的にはうまく行きません。
そのプロジェクトをやることが決まっていて、その人がリーダーだとみんなから認められているのであれば、そいうのも必要でしょうけど、まだプロジェクトがスタートたされていない段階で、それを話してしまうと思わぬ軋轢を生むことになります。

なので、意思や方策は少しづつ小出しにしていくようにしています。

それによって、関係する人の参画度を高めていくわけです。
とくに、自分の上司や自分よりも職位が高い人には、自分の持っているゴールイメージをきちんと共有しないと、思わぬところで足をすくわれます。

自分の頭の中を見せることはできないので、相手の意思として、相手の頭のなかでそのイメージを描いてもらわないといけないわけです。

それをやる方法が本書にあるような「小説得」だと考えます。
説得という言葉より「相談」して「誘導」するイメージに近いかもしれません。

自分のイメージを繰り返し、手を変え品を変えて見せようとすることです。
一発で合格するつもりになると、反対されたり、途中で足をすくわれたりしますので、まずは、「理解してもらう」ことに重きをおくようにしてみてはどうでしょうか。





■参考図書 『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典





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●本書を引用した記事
 ソフトに会話する(作用反作用の法則)
 リストの活用方法
 スケジューラ日誌
 命令か依頼か―リーダーとしてのメンバーとの付き合い
 議論が進まないときの4つの対応方法
 上司の嗜好に合わせる
 ビジネス心理術辞典
 電車が遅れたら駅から離れる
 相手の態度から本音を見抜く方法
 大勢の前でプレゼンするときはZ目線が有効

●このテーマの関連図書


ビジネス説得学辞典―交渉を支配する986の戦略・理論・技法





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posted by 管理人 at 05:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 交渉・会議・面接 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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