「聞いてもらえない」は話すほうが悪い




上司について、いろいろな不満があると思います。
所詮、対人関係、相手がある話なので自分の思い通りに行くわけがありません。




■「聞いてもらえない」


「上司が部下(自分)の意見を聞いてくれない」みたいに下から上への意思疎通は、Webなどで見る限り、上司に対する不満のトップにあがります。「一方的だ」「部下の状況をわかってない」なんかも同じ。

こういう発言を見るたびに、自分も上司という役職がありますので、ギクッとしたりすることもありますし、部下としての立場でみるとすごく共感したりします。

ただまあ、上司も上司なのかもしれませんが、所詮、コミュニケーションなので、どちらか一方が完全に悪いなんてことはあまりないかと。

つまり、部下としても上司に何かを報告するためには、上司にわかるように報告する義務があるのですよ。

上司が理解できないのは、自分の報告の仕方が悪いということも念頭に入れる必要があります。




■繰り返し言わないと伝わらない


さらに、よく「経営者は、重要な事を繰り返し言いなさい」みたいに言われるように、1回では伝わらないのが普通です。

人間の脳は、重要なものを選別しているので、一過性の情報は無視する傾向があります。

つまり、報告を聞く上司が「重要だ」と考えて、身構えて聞いた場合を除き、一度聞いただけでは記憶には残りません。

でも部下は、上司よりも抱えている課題の項目数が少ないので、一つ一つを「重要だ」と認識して行動しています。

ここに差が生じます。

こうして上司は、部下の報告を「ふ〜ん」と聞いて、速攻で忘れます。以上、おわり。
部下は、「ちゃんと報告した」と思っていても、上司の記憶には残っていないので、その情報が欠落したまま、その仕事に関する決断をすることになって、部下が「アレほど言ったのに!」でも部下の期待する結論にはならない。

で、部下は不満がたまる、と。

重要だと思うことは、繰り返し言わないと上司が重要だとは認識しないんです。上司にかぎらず、「自分以外の他人は」といったほうがいいかもしれません。

■上司にとって重要な事にする


過去記事

 上司の目線を理解するには財務諸表を見る
 上司の情報を活用する

などで上司にとって、何が重要かを何度か書きました。いろいろな手段はあるのですが、とにかく重要なのは、

 上司に重要な事だと認識させる

こと。それには、上記のように「繰り返し言う」方法と、もう一つは、上司が重要だと認識していることに関連付ける方法があります。

でも、上司にとって何が重要だと認識しているのか理解できてない人がおおいように経験的には思います。

上司にとって何が重要かというと、一言で言えば

 上司の上司に重要だと言われていること

です。たとえば上司の上司が役員なら、その役員の管掌範囲におけるその上司の役割です。上司が課長なら、部門長、すなわち部の今年度の方針、重点活動で定められた項目です。

それが上司がもっとも興味があること。

それに関わる事項として報告すれば、上司は興味を持って聞きます。

たとえば、営業職であれば、

 「ちょっと新しい販促のアイディアを思いついたのですが〜」

ではなく、

 「今年度の売上目標を10%向上できそうなのですが〜」

のほうが聞く耳を持つはず。

■考えは相手に伝わるように表明しないと伝わらない


所詮、他人の頭のなかは覗けないので、部下がどんなに一生懸命考えたアイディアだとしても、それがどんなに素晴らしいかは上司にはわかりません。

さらに上司が部下に使える時間は、部下の人数で割り算されますが、部下が上司に使う時間は100%になります。

つまり、上司に伝えている時間×部下の人数だけ上司には時間が必要になり、一人あたりの有効時間は少なくなります。
部下は短時間で大切なことを伝えられるようにしないといけないわけです。

つまり、「コミュニケーションの問題で双方に問題がある」と冒頭に書きましたが、部下の考えが伝わらないのは、伝える側の問題のほうが大きいと考えて、伝わる工夫をすることを最初にしたほうが、「上司の理解能力が低い」と嘆くよりも建設的な結果が得られる可能性が高いようです。

 ・わかりやすい説明になるように練習する
 ・短時間で伝えられるように要約する
 ・繰り返し伝えられるように接点を多く持つ
 ・フォローアップする
 ・事前に情報を入れて、予備知識を与える

こんな工夫が必要だったりします。



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posted by 管理人 at 13:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 知的生産術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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