コーチングの引き出す質問を使ってはいけない




ウチの会社では、新人管理職のための研修があって、そのひとつに「コーチング研修」が組み込まれてます。

まあ、言ってみれば、

 これからの時代は、あれをやれ、これをやれでは能動的には動いてもらえない。
 部下の意思を引き出して、それをうまく誘導する必要がある。
 それがコーチングだ。

などというわけ。

Wikipediaでは

★――――――――――――――――――――――――――
コーチング(coaching)とは、人材開発の技法の1つ。 対話によって相手の自己実現や目標達成を図る技術であるとされる。 相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すとするコミュニケーション技法である。

出展:ウィキペディア
――――――――――――――――――――――――――★


などと書かれてますね。

これ、案外うまくいかないんですよ。

■役に立たない人がいる

コーチングの質問というと、代表的なものが、

★――――――――――――――――――――――――――
・どんな感じですか
・どう思いますか
・どうしたらいいと思いますか
・これからどうしますか
・何がどのようになればいいと思いますか
・あなたのしたいこと、得たいものは何ですか

出展:コーチング知工房
――――――――――――――――――――――――――★


多分、これに答えられる部下は相当優秀。
いきなりそんなことを聞かれて、理路整然とこたえられる奴がいたら、私(管理職)はいらないでしょうね。

経験値ですが、こういう質問に答えられないから相談に来ているのであって、答えられない質問をされても本人に答えはない

ようは、ムダな沈黙か、意味不明・曖昧模糊な応答があるだけ。

話は前に進みません。

もちろん、みんながみんなそうだとは限りません。

ある分野に限っては、構想も設計も計画もちゃんとできる優秀な部下はいるでしょうけど、そういう部下は相談に来るのではなく、承認を求めに来るだけなので、そもそもそんな質問をする必要性自体がない。

こういう質問をしなければ、考えがわからない時点で、その部下には「答えはない」可能性が限りなく高い。

できない質問をしても追い詰めるだけです。

こういう部下に対しては、まず上司として、

 「こうしてほしい」

まず明確に提示することが、部下を困らせないポイントだったりする。
その上で、次のステップを設計できるかを確かめながら話を進めた方がいいです。

多分、その部下には、最初に投げつけられた目標が大きすぎて飲み込めてないので、目標をちぎって細かくして食べてもらうようにしたほうが効率的に仕事が進みます。


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