予算管理のコツ2:予定外の予算がの確保の仕方


前回、管理職の仕事のひとつ、「予算管理」について、「管理」している状態というのは、予算外の出費をどう判断するのかについてご紹介しました。

本日は、その出費を全体の予算の中でどのように確保するのかについてご紹介します。



■管理できるのは予算と時間


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管理職がしなければいけない管理のひとつは予算、もうひとつは時間です。

たとえば部下が出したアイデアはなかなか面白い。

ただし、そのアイデアをとり入れると、納期が遅れる。納期が遅れても、アイデアを生かしたほうがいいと判断する時もあれば、納期は絶対なので、そのアイデアは残念ながら採用できないと考える時もあります。

じつはこの 2 つの間には、無限のバリエーションがあります。たとえば、そのアイデアを採用することによって、納期が 1 週間遅れる。でも、納期はずらせない。では、ほかのこの作業を省略しよう。

そうすれば、 1 週間の余裕ができる。このように、部下が出したアイデアを採用して、実際にやろうとした部分を割愛するという入れ替えの作業ができるのが管理職です。事前に決められたとおりやるだけだったら、管理職など要らないのです。

中谷彰宏(著) 『管理職がしなければならない50のこと
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新たに何かをやろうとすれば、そこに時間とお金、工数といったいわゆる経営資源の投下が必要になります。

一方で管理職がコントロールできるものには制限があります。

これらは、本書にあるように無限のバリエーションがありますが、基本的なものは多くはありません。

 ・資源を増やす
 ・他で使っている資源へらして転用する
 ・バッファ(遊休資源)を利用する

の3パターンだけです。

基本的な考え方は、時間・お金・工数ともに同じなのですが、今回はお金についての私の方法を具体的に書いて見ます。

私は、以下でご紹介する幾つかの戦術は、どれかひとつをやるのではなく、全部を組み合わせてやっています。


■予算の確保方法


やっぱり先立つモノが湧いて出るわけでなないので、本書では、「どこを削るかを判断しなさい」と書かれています。

もちろん、まず考えるべきはそこかもしれませんが、私はそれ以外にもいろんな手で予算を捻出していたりします。

●他人の褌(ふんどし)作戦
 ようは予算があればいいだけのことなので、予算が余りそうなところと折衝して、その予算をもらう作戦。
 もちろん、相手にも余裕はないとはおもいますが、そこが交渉術の腕の見せどころだったりします。
 やりやすいのは、共通の上司がいる場合です。たとえば、あなたが課長で、同じ部の課長からぶんどってくる場合には、共通の上司=部長をうまく説得すれば可能になります。

●水増し推定作戦
 これは予算決定後には使えませんが、予算推定の時に、バッファを入れておく方法です。
 たとえば、毎年10%削減が来るのであれば、10%多めに予算推定をしておけば、辻褄が合いますよね。

 もし、結局使わなかった時には、足らなくて困っている隣の管理職に恩を売れます。「オレの課、余裕があるから使ってもいいよ」と言ってはいけません。「困っているようだから、ウチの予算をギリギリ削れば、このくらい(相手の要望する金額の80%くらい)なら出せるよ」と言って助けてあげることです。

 どうやって予算を水増しするかですが、一番簡単な方法は「多分いらない予算」を「いかにも必要そうな名目」で立案することです。

 もし、それが難しければ、予算推定の項目を細分化してください。「仕様検討用アプリ購入 100万円」ではなく、
  ・仕様検討用サーバプログラム     52万円
  ・仕様検討用クライアントプログラム  34万円
  ・プログラムセットアップ委託金    16万円
  ・業者見積もり検討図面作成費      8万円
 みたいに細かく分けることです(合計110万円)。そうすると、そこに端数が出ます。端数を「切り上げ」すると、「ちりも積もれば」状態で予算が増えます。

●年度マタギ作戦
 いつでも使えるというわけではありませんが、スタートは今年度始めても、検収は来年度にまわしてしまえば、費用の発生は今年度の予算から出さなくても済む場合があります。あるいは2段階に分けてしまって、第1段階は今年度予算で、第2段階は来年度予算に回すとか。まあ、これは相手との合意も必要ですが。

●縮小作戦
 部下から提案のあったアイディアなど新たな支出が必要なものを「もっと安くやる方法」を検討する方法です。

 提案のアイディアを「クイックスタート」「ミニマム労力」という条件をつけると、初期投資のコストは下がることが良くあります。
 小さな初期投資ならバッファから出せることが多いので、それで効果を見て、その結果、高い効果が認められれば、予算外申請なども承認される可能性が高くなります。

 たとえば、「グループウエアを導入する」みたいな提案なら、「Excelの共有でスタートして効果を見よう」と対応すれば、そのアイディアの成否はある程度みえます。掲示板が欲しければ、フリーの掲示板ソフトをサーバに突っ込んでしまえば、それなりに使えるものができます(制限はありますが)。
 
●優先順位作戦
 いわゆる優先順位をつける方法です。

 判断基準は、タスクの管理と同様に「重要度」と「緊急度」で検討しますが、私の場合はもう2つ「会社への貢献度」「関係者への影響度」を加えて考えるようにしてます。
 つまり、この予算の支出を「やめる」と判断したら、どの関係者へどのくらい影響があって、その調整にどのくらいのパワーが必要なのかで、やめるものを検討します。
※たとえば、役員の肝いりでスタートしたプロジェクトは、いくら重要度や緊急度が高くなくとも、やめるには労力が相当必要ですね。これはやめる対象にはしません。

 また、やめないにしても、上記の「縮小作戦」と同じことを、優先順位の低い業務の予算に適用してやれば、予算支出は抑えられる可能性が高くなります。




■参考図書 『管理職がしなければならない50のこと

管理職がしなければならない50のこと決断できないものに決断を
下すのが、管理職の仕事。マニュアルから外れたところからが、
管理職の仕事。厳しいことでも明るく叱る。
すべての業種で通用する管理職のノウハウを、50の項目で学ぶ。




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管理職がしなければならない50のこと
著者 :中谷彰宏

管理職がしなければならない50のこと
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●本書を引用した記事
 セラピストを学ぶ
 「だいたい君はいつも」は禁句
 部下は育てるのではなく育つ
 予算管理のコツ1:予定外の予算が出せることが管理
 予算管理のコツ2:予定外の予算がの確保の仕方
 答えは相手に言わせると前向きになってくれる
 混沌を作り出す
 明るく叱る
 管理職がしなければならない50のこと

●このテーマの関連図書


その一言に、品格が現れる一流の人が言わない50のこと

なぜあの人は仕事ができるのか

30代でしなければならない50のこと





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