面接質問の真意(リーダーシップ)5:決める



採用面接で、大きな配点を持っているスキルにリーダーシップというものがあります。
面接官は直接的には言いませんが、この「リーダーシップ」があるかどうかを、聞き出そうとしていろいろな質問をします。

ところが、あまり満足行く回答をもらったことは多くありません。
回答から推察するに「リーダーという役割」と「リーダーシップの発揮」というものが混同されているように感じます。

そこで、『採用基準』という本にあった「リーダーがなすべき4つのタスク」という章から、リーダーシップについて考えてみたいと思います。


初回にご紹介したように、本書『採用基準』で挙げられているリーダーシップのある人が取るべき行動(タスク)は次のとおりです。

★P116〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●リーダーがなすべき4つのタスク
リーダーとは、成果を達成する人だと書いてきましたが、では成果を出すためには具体的に何をする必要があるのでしょう。実はリーダーがなすべきことは極めてシンプルで、突き詰めれば次の4つの行為に収束します。

 1.目標を掲げる
 2.先頭を走る
 3.決める
 4.伝える

伊賀泰代(著) 『採用基準
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本日はその3つ目。

■決める


これは、判断することではなく、「決断する」ことです。

所詮神ならぬ身、未来のことなんてわかりません。それでも、未来のために「これをしよう」と決断することが必要です。

これについても、多くの書籍で語られていますが、また本書『採用基準』を引用していきたいと思います。

★P124〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

リーダーとは「決める人」です。検討する人でも考える人でも分析する人でもありません。

もちろん、高い分析力や思考力をもっていることは、よりよい決断をするために役立つでしょう。しかし世の中には、高い分析力や思考力をもっていても、何も決めない人がたくさんいます。

決めることをできる限り先延ばしし、「情報が足りないから決められない」と言って、とめどなく検詞や会議を続ける人がいるのです。こういう人には、リーダーシップはありません。

リーダーとは、たとえ十分な情報が揃っていなくても、たとえ十分な検討を行う時間が足りなくても、決めるべき時に決めることができる人です。

議論を打ち切り、決断すべきタイミングはどの時点なのか、判断できる人です。

欧米の組識と(さらに言えば中国や韓国の企業と比べても)日本の組織の決断が遅いと言われるのは、この点におけるリーダーシップの差が現れているのだと思います。

当然ですが、情報が完全に揃っていない段階で決断をすることには、リスクが伴います。
このリスクをとるのがリーターの役割なのですが、日本では時に、「リスクを、人ではなく場所に負わせる」というびっくりするような手法が使われます。

たとえば「これはどこで決まったのか」という問いと、「○○会議で決まった」という回答があり得ることは、日本における 「決める」という行為の特殊性をよく表しています。

決めたのは場所ではなく、人のはずです。
誰かがその会議において決めたはずです。
しかし私たちは決めた人をあえて暖味にするために、「会議で決まった」という言い方をするのです。

決めることができないのは責任をとるのが怖いからでしょう。

決断を下す人には、常に結果に責任が問われます。

それが怖い人はいつまでも決断を引き延ばします。そして彼らが決断をしない理由(言い訳)もいつも同じです。それは、「十分な検討時間がなかった」と、「必要な情報が揃っていない」のふたつです。

しかし過去のことならともかく、未来のことに関して十分な情報が揃うことはありません。

リーダーの役割は過去の情報を整理してまとめることではなく、末来に向けて決断をすることですから、常に不十分な情報しか存在 L ない中で、決断することを求められます。

「がまだ足りないので、決断はもう少し後にする」と言っていていたら、いつまでも決断できません。

さらに言えば、十分な情報が揃っているのなら、リーダーでなくても決断はできます。

リーダーの役目は情報も時問も不十分な中で決断をすることなのです。

そのリスクを誰もとらず、「会議で決まったことだから」などと言っているから、大変な結果が起こりても誰も責任をとらない事能いが発生するのです。

あるアメリカ企業の経営者が会議の席で

 A bad desision is better than no decision

と発言したのを聞いた時は、そのとおりだと感じるとともに、それを経営トッブが会議で発言することに驚きも覚えました。

これはまさに、決めることがリーダーの責務であると理解している人の言葉です。

「べストな結論が見っかるまで検討を続けるべきだ」などと言っていては、お話になりません。
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むしろ問題を明らかにし、何を改善べきかを浮き彫りにするために決断することさえあります。

問題点が洗い出せれば、歩前に准一むことができます。

この点が理解できず、何につけても「やりばり拙速だった。もっと議論してから決めるべきだったのだ」と言っている人にも、リーダーシップ・ポテンシャルはありまけん。

ケース面接の中でも、とめどなく情報を求める人がいます。
情報ばかり求めていて、いつまでも自分の結論を言わないのです。

 「あなたはどうすべきだと思いますか?」

と聞くと、「もりとよく調べます」と答えるのです。

それなのに「調査で何がわかったら、決断できるのですか?」と問うても答えが返ってきません。

こんな人がリーダーに向いているでしょうか?

伊賀泰代(著) 『採用基準
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ちょっと引用が長くなってしまったので、次回に続く。




■参考図書 『採用基準


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posted by 管理人 at 09:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 交渉・会議・面接 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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