認識のズレを利用する





「あのときに、『やります』って言ったじゃん」
「確かに言ったが、○○をするとは言ってない」

こんな会話、したことありません?

これはどこから来るんでしょうか?




■言った言わない議論の発生源


「言った/言わない」というのは元々は

 ・記憶が違う
 ・認識が違う

の2つのパターンから発生します。

前者は簡単ですね。忘れてしまえば決めたことなんて決めてないのと同じです。

だから、誰かと話した時には、

 合意事項を紙に書いて、相手のサインを貰う

なんてことをするんですね。

でもやっぱり問題が起きます。これが「認識のズレ」というやつ。
つまり、同じことを話しているつもりなのにぜんぜん違うことを話しているようなとき。

■自然言語


自然言語というのは、ありがたいことに曖昧な定義で使用されます。

例えば私の専門である「システム」。

これは、複数のものが相互に関係しあう事柄すべてを指すので

 「こういうシステムが必要だよね」

と合意したとしても、ある人はそれを人間系で部門間調整をするような調整部署を指しているかもしれませんし、別の人は特定の入力をすると答えを出してくれるようなコンピュータのシステムを言っているかもしれません。

私などはコンピュータ屋なので、どうしても後者の考えになって、「開発にかかりました」と報告すると、「何を作るの?」などと返事されて根本的に話が違っていたなどということが一度や二度ではありません。

相手が中国人やアメリカ人みたいに根本的に言語が違う人であれば、図で示したり具体例を示したりしてお互いの理解度を図ろうとするのですが、日本人同士だとなまじ言葉が通じるものだから始末におえない結果になったりします。

まぁ英語でも Issue と Problem や Manage と Controle の違いなど言っていることを日本語に置き換えると同じ訳語になるようなものは超要注意です。




■認識のズレを活用する


でも、これがあるお陰で助かったりすることがあります。

  「ここに大きな変化がありました」
  「営業成績は急激に伸びています」
  「改善効果が顕著でした」

こう聞くと、「お、いいじゃん」と思ったりしますが、それが実際に「大きい」のか「急激」なのかは人の判断によります。たとえば営業成績が 1% 延びたのを「急激」と言ってもいいわけです。

 明確な定義があるわけでないものをうまく使えばいい印象が与えられる

というわけ。

ただし、目標を共有するときにはこれは逆効果。

 営業成績を大きくのばそう!!

なんて言っても、1% でいいと思う人とか 50% なければならないと思う人とか色々いるわけ。

なので、共有には向きません。

他の記事でも述べましたが、数字であっても相手に与える印象がコントロールできます。
ましてや、自然言語ならなんとでも言えるんですよ。

自分の都合に合わせて使い分けましょう。

上司に自分の実績を報告するときは、「大きな改善」ですが、反発しそうな部下に指示するときには、「ちょっと変えればいい」といえばいいんですよ。心理的ハードルを下げることができますよ。



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