ペーシング・ディスペーシング




コミュニケーションについて勉強したことがある人は

 ペーシング
 ディスペーシング

という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

ペーシングとは、相手のペースに合わせることで相手との心理的な距離感を縮めて、信頼関係を築きやすくしようという技法です。

合わせる対象は様々でですが、大別して以下の様なものです。

 ◆体の状態(姿勢、重心の位置、手足の位置、表情)
  親近感を作る方法の一つは、相手と同じ姿勢をとることです。例えば、相手が腕を組んだら、こちらも腕を組むという方法です。さりげない姿勢や動きを合わせると良いでしょう。
 ◆動作・リズム(うなずき、まばたき、呼吸)
  相手のうなずくリズムや呼吸にペースを合わせると、「息が合う」状態が作りやすくなります。呼吸を合わせるには観察力が必要ですが、これができれば相手が意識せずに心を開いていくようなペーシングができます。
 ◆言葉
  相手が話したフレーズやキーワードをそのまま使うと、相手は「きちんと聴いてもらっている」と感じます。例えば、「今日は良く晴れて気持ちいいですねー」⇒「そうですね、気持ちいいですねー」という具合です。これは特別に「バックトラック」(オウム返し)とも呼ばれます。
 ◆感情
  たとえば起こっている人には、同じように怒ってみせるとか、不満を言っている人には、自分も同じ不満をぶちまけるとか。同じ感情を表す行動です。
 ◆話し方(声の大きさ、高さ、スピード)
  相手が話す声の大きさ・高さ・スピードにペースを合わせる方法です。
  例えば、相手が大きい声・高い声・早口でクレームを言っている場合などは、こちらも大きい声・高い声・早口で対応することで、相手は「真剣に話を聴いてもらっている」という感覚を持つでしょう。
これは「自分に似たような人には心を許しやすい」という人間の心理作用を利用したものです。

■激昂している人にはディスペーシングする

カスタマーセンター(サービスセンター、お客様対応センター)などではよくお客様からお怒りの電話をいただくことがあります。

 「どうなっているんだ!!お前のところの製品はちゃんと動かないじゃないか!!」

だいたい、感情的になっている人はこんな感じでいきなり感情を投げつける場合が多いみたいです。

こういう人にペーシングすると

 「何を言ってるんだ! お前の使い方が悪いからだろうが!!」

という返し方をするということです。
※多分喧嘩になりますね。

こういう時には、ディスペーシングが有効。

つまり、落ち着いてゆっくりしゃべります

 「お世話になっております。お手間と取らせて申し訳ありません」
 「お客様の操作されている内容を教えていただけますか?」

どういう時にペーシングが有効で、どういう時にディスペーシングが有効なのかは状況によりますが、これは社会規範などにも左右されるみたいですね。つまり国や民族によってもいろいろあるみたいです。
経験的に。

自分が当事者になるとわからない事が多いので、周囲の人がどういうペーシングをしているのかを観察してみると、「あ、この時はこういう方法がいいのか」と勉強になったり、反面教師になったりしますよ。

 意識して観察する

ことで、上手な人と下手な人を分析してみることです。
できたら、観察するだけでなく、その状況・対応方法などをメモしておくと、あとで振り返って自分ならどうするかを考えるねたになります。



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