勝ってはいけない




今となっては随分昔の話のようですが、戦時中こんな標語があったそうです。

 撃ちてし止まむ

ちょっと古い言い回しなので分かり難いですが、もとは古事記の神武東征の中に出てくる「みつみつし 久米の子が 頭椎 石椎もち 撃ちてし止まむ 」という歌に起源があるそうで、意味としては




 敵を討ち滅ぼすまではやめない

というような意味(だいぶ意訳)だそうです。

でもサラリーマンがこういう発想だとたいていは失敗します。
その場は勝ったとしても、後でてひどいしっぺ返しを食います。

■勝ってはいけない


企業経営者であれば、ライバル企業を蹴落として、最終的に独占企業になるのが究極の目標でしょう。そうすれば、商品の値段はつけ放題、「欲しかったらオレに土下座しろ」と言えますよね。
※韓国国内におけるサムスンやヒュンダイがそうらしいですね…

サラリーマンがそんなのを目標にすれば、その時の相手は討ち滅ぼせた(退社に追い込む)としても、それを知っている人たちからはもう助力は期待できません。結果、足元をすくわれて自分自身が退社しないとイケないハメになるなんて小説みたいな結果になります。

だから、完勝を目指してはいけないんです。
誰かと議論になったら、3つのうち1つは相手に譲る。基本線だけは合意をとってあとの部分は相手の言い分を呑むのようにしたほうがいいんです。

ある目標に向かって努力しているときに、家庭も自分の健康も振り捨てて目標を達成しても意味がありません。

例えば、登山の時に「あれが頂上だ」とゴールを見つめることは大切ですが、雲行きが怪しくなってきたら、とっとと諦めて下山するようにすることです。

プロジェクトが失敗したとしても、外資系企業でなければ、多少の損失くらいでは、正社員はまずクビにはできません。ましてや人生を終わりにされるなんてことはありません。

経営者なら、失敗すればそれこそ無理心中・一家離散かもしれませんよ。
サラリーマンはそういう意味で気楽な商売なのかもしれません。

サラリーマンは、「頂上に登ること」を重視ししないと評価されませんが、「無事に下山する」ことを第一としないと生き残れません。「イチかゼロか思考」のサラリーマンは長生きできないかも。

昇進することも、なるべくたくさん給料をもらうことも大事ですが、まず定年まで(できれば雇用延長制度いっぱいまで)給料をもらい続けることが最重要です。

※このネタは以下の本から頂戴しました。

 下から目線で読む『孫子』 (ちくま新書)








■参考図書 『下から目線で読む孫子




歴史上、数々の支配者たちに熟読されてきた兵法書の古典『孫子』。人間心理への深い洞察をもとに必勝の理を説いた同書を、視点をひっくり返して読んでみたら、何が見えてくるのか。自明とされた「勝ち」というものが、にわかに揺らぎ始めるかもしれない。『孫子』のなかから、これぞという言葉を選び、八方破れの無手勝流でもって解釈しながら、その真意を探る。





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下から目線で読む孫子
著者 :山田史生

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●本書を引用した記事
 視野を広げる
 「孫子の兵法」を実践してはいけない
 すべてが揃わなくとも始める
 「演じる」を知る
 すべてが揃わなくとも始める
 見勝不過衆人之所知、非善之善者也
 兵とは詭道なり
 流れを変えてはいけない
 下から目線で読む孫子
 勝ってはいけない

●このテーマの関連図書


日曜日に読む『荘子』(ちくま新書)

絶望しそうになったら道元を読め! 『正法眼蔵』の「現成公案」だけを熟読する(光文社新書)





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